英語教師による英語教師のための情報シェアの場「達人セミナー」通称「達セミ」をご存知ですか。毎週のように自発的かつボランティアで全国各地にて開催され、それぞれの授業方法を公開しシェアしています。基本的には中学・高校の教師の方々が中心ですが、その授業には英語を楽しく学ぶヒントがたくさん隠されています。その中から毎号1名の先生にレポートしていただきます。
今回のヒントはこれ:
テンプル大学ジャパンキャンパス
Academic English Program
津島玲子 先生
ライティングを苦手と感じていませんか? 今回は、そんな方にでも簡単に始められるライティングのエクササイズをご紹介したいと思います。これでライティングの基礎力アップを目指しましょう。
TOEFLテストやTOEICテスト Speaking & Writingをはじめ、近年では大学入試や高校の授業でもエッセイライティングを求められる機会が増えてきています。と同時に、「ライティングができない」「とても苦しんでいる」といった悩みや、「リーディングはなんとかなるけどライティングは難しい」などの意見をよく耳にします。では、なぜライティングを難しいと感じるのでしょうか?
理由は簡単!実は、ほとんどがライティングの練習不足が原因なのです。みなさんの多くは中学・高校で英作文をかなり練習した(書かされた!)はずです。しかし、それは“英作”文であり、英“作文”ではないのです。
“英作”文とは、与えられた日本語での文を「英語に作り変える」こと、つまり、和文英訳のことです。それに対し、英“作文”とは、「自分で文章を作り英語で書く」ことです。
伝えたいことをライティングで表す英“作文”をほとんど練習していない初心者にとって、英“作文”の上級編である論理的なエッセイがむずかしいのは当然なのです。いきなり上級編にジャンプする前に、まずは入門→初級→中級とステップアップで英“作文”にチャレンジしていきましょう。
中学レベルの文法を用いて、自分のことに関する“事実”を単文で書いてみましょう。例えば現在形を使えば、一週間のスケジュールや趣味・癖などを表せます。
1. I teach from Tuesday to Saturday.
現在完了は自分が今までにした経験を説明することができます。
2. I have been to San Francisco.
このように、簡単な文法を使い短い文をたくさん書くことに慣れていきましょう。
次に、いくつかの文章を使って過去の出来事を時間の流れに沿って表してみましょう。
例えば、楽しかった誕生日のことだと、
3. My family and friends had a party for my birthday. We ate a big cake, and then we played cards. We had a nice time.
このように、楽しかったこと、驚いたこと、運がよかったことなどの“体験談”をまとまった文章で伝えることに慣れていきましょう。
論理的なエッセイに挑戦する前に、まずは短い文で自分の意見を表してみましょう。まずは、自分が行っている様々な行動に目を向け、“なんで?”と考えてみます。例えば、
4. I exercise everyday. Why?
↓
I exercise everyday because I feel refreshed.
ここでは、何を書くかを自分で決める必要があります。たった一文でも、意見を考えることは意外と時間がかかるものです。考えることに慣れていきましょう。
“Writing is not ability but a skill.”(ライティングは能力ではなく技術である。) これは、練習すれば必ずライティング力は伸びるということです。みなさんもまずは簡単なライティングから始めてみてください。