普連土学園では、高校2年生必修授業でTED Talksを利用した授業を行っています。この授業は週1回(45分)2時限分を使い、教員も生徒も英語のみを使用する授業です。今回は、2時限目に行うGroup Discussionについて紹介します。
1つのTED Talkを使った具体的な授業の流れは次の通りです。
(1)Introduction及びWarm-up Activity(5~15分)
(2)TED Talkの視聴(10分程度)
(3)Comprehension Quizを用いて内容理解
(4)Discussion Roles(DR)の割り当て:自宅課題となる *【表1】参照
(1)同じRoleごとに集合し、意見や質問などを共有(4分程度)
(2)Group Discussion(10分)
(3)各Discussion LeaderによるDiscussion内容の1分間スピーチ
(4)Hall of Fameによるユニークな意見や視点、要約の共有
【表1】Discussion Roles:4人1グループ。グループ内各人に教員が役割を割り当てる。
(1)同じRoleごとに集合
まずRoleごとに集まり、準備したノート(自宅課題)を持ち寄って意見や質問などを共有する。目的は、英語の得意・不得意に関わりなく生徒全員が安心してDiscussionに参加すること、またアイディアが浮かばなかった生徒への救済策、Discussionの前に準備した英語が相手に伝わるように練習すること、等である。
(2)Group Discussion
教員の合図でDiscussionを開始。DLが話し合いをリードし、主にEE→SUM→CBの順で発表を促す。特にCBについては、自分と異なる繋がりを共有し、驚きや興味から質問が自然と出る。その後、DLが自ら作成してきたDiscussion Questionsを問い、話し合いをする。教員が作る質問と異なり、生徒達にとってより興味があり、身近で、話し合ってみたいことを質問するため、より活発でやる気が出るようだ。また、DLはReferential Questionsで問うので、他者が知らない自分の意見を英語で共有することは、「英語が間違っていても自分の意見を伝えたい」または「相手の意見を聞き取りたい」という意欲が高まる。
(3)各DLによる1分間スピーチ
この1分間スピーチでグループ内のDiscussion内容をクラスで共有する。回数を重ねるうちに上手な紹介の仕方を他者の発表から学び、また話し合い中に出たユニークな内容をクラスで共有したいという前向きな気持ちも生まれ、徐々に1分では伝えきれないことが増え、その経験が自信に繋がる。
(4)Hall of Fameによる意見・要約の共有
教員のコメントや関連する社会問題などの補足が行われた後、学年全員の自宅課題から各役割のアイディア等を抜粋した作品集を、全員で共有する。ここでは、自分とは異なる視点に気づいたり、より良いSummaryの書き方を学ぶことも出来る。時間があれば、疑問に思ったことを質問し、Pair で話し合うこともある。
級友の前での発表や、自分の意見を伝えることが苦手な生徒もいますが、級友や教員からのサポートを得て、徐々に慣れていきます。生徒も教員も互いに成長を感じ、学びのある授業形態だと感じています。