イベントレポート

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第66回 教育者セミナー「~高校・大学における英語発信力育成への取り組み ライティング指導ツールCriterion® の活用~」開催報告


国際交流促進部

日時:2016年12月17日(土)
場所:大阪天満橋 ドーンセンター4階 大会議室3
内容:教育者セミナー「~高校・大学における英語発信力育成への取り組み ライティング指導ツールCriterion® の活用~」

当協議会では教職員を対象としたセミナーを毎年開催しており、昨年12月には、高校・大学における英語発信力育成への取り組みとして、ライティング指導をテーマに開催いたしました。 ETSプロダクトであるCriterion®(※)というライティング指導補助ツールを授業内で用いた実践報告とその考察を中心に行われ、当日は46名の方々にご参加いただきました。
(※)Criterion…http://www.cieej.or.jp/toefl/criterion/

第66回 セミナー「~高校・大学における英語発信力育成への取り組み ライティング指導ツールCriterion®の活用~」開催報告

冒頭、開会の挨拶とともに、当協議会より「入試改革の現状と世界の動向」として、高校、大学入試から入学後におけるTOEFL® テストの活用状況をご紹介いたしました。

第63回 「2016年アライアンス総会」開催報告
▲大阪府立三国丘高等学校 柿本早紀先生

第1部では、「高等学校の教育現場におけるCriterion® 活用とその考察」として、大阪府立三国丘高等学校の柿本早紀先生に発表いただきました。

Criterionを利用した中で感じた効果として、タイピングの慣れや生徒自身に自己添削力・改善力が身に付く点、また教員の負担が軽減される点も挙げられました。一方、内容面についての添削がないことを課題として取り上げ、内容面に注力した指導サポートの必要性を説明されました。英文添削の苦労話も交えながら、授業への導入からフィードバックの方法まで具体的な実践紹介で、参加者からは「共感できた」「イメージしやすかった」という声がありました。最後には、エッセイライティングが学びを深めるきっかけとなるような指導の意義についても触れておられました。

第66回 セミナー「~高校・大学における英語発信力育成への取り組み ライティング指導ツールCriterion®の活用~」開催報告
▲京都府立大学 細越響子先生

第2部では、「TOEFL iBT® テストを通した高校生を対象とする英語発信力育成の試み」として、京都府立大学の細越響子先生に登壇いただきました。
小林聖心女子学院高等学校でのTOEFL® テスト対策講座の活動を中心に、段階的な学習指導法とCriterionの効果検証を踏まえてご説明いただきました。指導結果として、TOEFL講座受講生の反応や獲得スコア伸び率についての数値化データもあり、説得力につながるものでした。高校生を対象にしたTOEFL iBTテストのライティング指導は、細分化して段階的に組み合わせることで可能となり、Criterionによる評価が学習者に与える効果もある、と結論づけられました。アンケートでは「指導された分析内容や方法論は、中学校の現場でも参考にしたい」との感想もいただきました。

第66回 セミナー「~高校・大学における英語発信力育成への取り組み ライティング指導ツールCriterion®の活用~」開催報告
▲立命館大学 山中司先生

第3部では、「大学理系学部におけるライティング教育の重要性:グローバル化に対峙する日本の大学の現状を踏まえて」と題し、立命館大学の山中司先生に発表いただきました。
冒頭、「英語」がもつ力の事例として話題沸騰の“PPAP”を取り上げられ、会場は笑いに包まれました。理系分野において英語での発信力が求められる時代にあるということを強く訴えかけ、今後英語とどう対峙していくべきか、今までの価値観を根底から変えなければ意味がない、と熱く語られました。「興味深い切り口で刺激を受けた」「目からウロコだった」という参加者からの感想も寄せられました。
最後には、コミュニケーション英語とライティング英語の指導哲学における矛盾について問いかけられ、参加者にとっても考えさせられるものでした。

第66回 セミナー「~高校・大学における英語発信力育成への取り組み ライティング指導ツールCriterion®の活用~」開催報告

セミナー全体の感想としても、「ライティング指導について再考できた」「Criterionの有用性が分かった」「高大連携の必要性を感じた」などのご意見をいただきました。高校・大学それぞれの先生に登壇いただき、具体的事例から今後の英語教育問題まで、示唆に富んだ内容をお届けできたと実感しております。
今後も、TOEFLテスト日本事務局として、英語教育の取り組みに対し、情報提供や企画の発信に努めて参ります。

最後に、登壇いただきました先生方のご協力に深く感謝申し上げるとともに、参加者のみなさまにも貴重なお時間をいただきましたことを、この場をお借りいたしまして心より御礼申し上げます。

上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。