英語を身に付けるためには、1万時間以上必要ですか
巷では英語を身に付けるためには1万時間以上必要と聞きますが、本当でしょうか。
TOEFL® テスト開発・運営団体である米国非営利教育団体ETSの公認トレーナーとして活躍されている3名の先生方に、読者の皆様からよくいただくTOEFLテストや英語学習に関する疑問質問にお答えいただきました。
「英語を身に付ける」をどう定義するか次第
神戸女学院大学 田岡千明先生
Malcolm Gladwellの著書に、成功の“10,000-hour rule”がありましたが、それはあくまでもその道のプロ(一流の同時通訳者など)の話です。「身に付ける」を「英語圏の大学学部で勉強できるレベル」(CEFR B2)と考えるなら、日本の義務教育プラス自習時間を考えて7-8年程度(3,000時間ぐらい)ではないでしょうか?集中力、才能、環境など複合的な要因があるので一概には言えませんが…。
1万時間が目安ではなく、目標を持ってどのように学習し、達成していくのかが鍵
甲南大学 津田信男先生
おそらく、マルコム・グラッドウェルの『天才!成功する人々の法則』にある1万時間の法則でしょう。この法則によると、達人になるためには1万時間の練習が必要だということになります。
しかし、現実は違うと指摘している学者も多くいます。例えば、1万時間をかけてもダラダラと目的もなしにやっていては効果がありません。
語学習得は確かに時間がかかりますが、1万時間が目安ではなく、目標を持ってどのように学習し、その目標を達成していくのかが鍵だと思います。
「1万時間やればだれでも達人になれる」というセオリーではないはずです
明治大学 横川綾子先生
"The 10,000 Hour Rule"という説ですね。個人的な解釈としては、結果として「達人」になった人の練習量を計算すると1万時間前後になるというだけで、「1万時間やればだれでも達人になれる」というセオリーではないはずです。練習の質×量が大事なのは英語学習に限ったことではないでしょうが、①ゴールが明確である、②短期間で集中的に行う、③定期的に効果測定をする、という3つの条件があらゆる技能向上には欠かせないと思います。
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