2013.03.21
五十峰先生からのメッセージ
皆さん初めまして、こんにちは。
TOEFL® Web MagazineでTOEFL iBT® テスト対策シリーズを連載させていただくことになりました。
担当の五十峰 聖(いそみね・せい)と申します。
簡単な自己紹介ですが、生まれは東京、育ちは千葉。19歳の時に渡米して学部、大学院、社会人とアメリカで過ごしました。現在は日本の大学で英語講師を勤める一方、ETS Authorized Propell Facilitatorとして、教育関係者を対象としたTOEFL®テストに関するワークショップや、学生や一般の方を対象としたスキルアップセミナーなどを日本全国で実施しています。全国各地で様々な人々に出会えるのと、より多くの方にTOEFLテストに関する正しい知識と対策法を理解していただけるのが毎回楽しみです。もし皆さんのお近くでセミナーなどがあれば、是非とも立ち寄ってください。
さてこの連載に関してですが、毎月2度程度の更新を予定しておりまして、Propell Facilitatorとしての知識、また私自身のTOEFLテスト受験体験や教えた経験を基に、TOEFL iBTテストの勉強法や解答アプローチ、sample、practice question、教材の使い方、などいろいろアドバイスしていこうと思っております。
とはいえ毎回TOEFL iBTテストの全セクションを扱うことはできませんので、セクションやテーマを絞って毎回変えながら、皆さんの学習に役立てていただけるような情報を毎回連載していこうと企画していますので、ご期待ください。また皆さんからのご要望やご質問がありましたら、連載の内容の御参考にさせていただきたいと思いますので、是非ともお寄せください。
では早速第1回目のTOEFL iBTテスト対策シリーズの内容に移っていきましょう。今回のテーマはSpeakingセクションです。
Speakingを最初のテーマに選んだ理由はいくつかありますが、やはり一番の理由としては多くの日本人受験者にとって一番スコアが伸び悩んでいるセクションだからです。また私が今まで学生に教えたりワークショップを行ってきたりした中でも、一番興味と質問が集中するセクションでもありますね。今後の連載においては実際にarticleを読んだり、音声を聴いていただいたり、sample practiceを読者の皆さんに行っていただいたり、連載をまたいで宿題(!)を出し、次の連載で答えあわせをしたりするなど、実践的な対策法を行うことも考えています。ですがまず始めは、TOEFL iBTテストのSpeakingに対する正しい知識から!という観点からお話させていただきます。
【対象レベル:全員】
第1回 TOEFL iBT® テストSpeaking対策 No.1
Speaking セクションに関する誤解を解こう!
さてこの「誤解」という言葉に注目したかもしれませんが、そうなのです。TOEFL iBTテストのSpeakingに関しては、結構誤解が多いのです。それだけちょっとミステリアスな、というか、解かりにくいセクションなのだと思います。しかしこの連載を通して、Speakingセクションの全貌が明らかになるのです!!・・・というのは大袈裟ですが(笑)、やはり間違った知識を持ったまま試験に臨んでも良い結果は望めないでしょう。それでは少しでも誤解を解くべく、今までに寄せられた質問を基に、Q & A形式で解説しましょう。
- TOEFL iBTテストスピーキングってどうやって勉強すればいいのですか?
- Answer:
- 最もよく受ける質問ですね!ただそれは余りにも大きすぎるテーマなので今回の連載ではスペースが足りません。次回以降、必要とされるスキルごとに焦点をあてて答えていきましょう。
- スピーキングってなんだかんだ言って、最終的にはやはり発音ですよね?
- Answer:
- これもセミナーで頻繁に受ける質問です。答えから言うとNOです。つまり発音だけが大事なのではない、ということです。この質問の「やはり発音ですよね?」という部分にはやはりネイティブ並みの発音ができないとダメですよね?」というニュアンスが込められていると思うのですが、そういうわけではないのです。高得点をとる人でも、アメリカ人のそれには程遠い発音の人もいますし、各国の訛り・アクセントがバリバリ入っているものがほとんどです(TOEFL® Official Guideを既に勉強された方は、サンプル回答の音声が入っていますので、聴いてみるとよいでしょう。)
- また機会を改めて説明しますが、Educational Testing Service(ETS)(TOEFLテスト開発団体)が公表しているスコア基準表によると、Speakingのスコア基準は大きく別けて以下の3カテゴリになります。
-
- a) Delivery
- b) Language Use
- c) Topic Development
- このうちa) Deliveryが主に音声に関する基準なのですが、ここだけ良くても、あとの2カテゴリが疎かになってしまっては高得点はでません。解かりやすく例えると、バリバリの帰国子女の方で、発音もアメリカ人そのもの、という人がいたとしましょう。ただその人が必ずしもb)のLanguage Use(使っているボキャブラリの豊富さや正しさ)、そしてc)のTopic Development(話のサポート、展開)において長けているとは限りません。むしろムチャクチャな文法で、あまりきちんと論理的に話を展開できていないかもしれません。
- 各タスクで4点満点を取るには、これらの3カテゴリから1つでも欠けてしまうとダメなのです。もちろん、発音が良いに越したことはありませんが、それ以外にもたくさんやるべき事がある、というのをまずは心に留めといてください。では具体的に何をすべきか、については今後話していきますね。
- TOEFLテストの塾の先生から、「スピーキングにはちゃんとイントロダクション、ボディ、そして結論がないと高得点がでない」と言われました。本当ですか?
- Answer:
- ウソです。そんな事はありません。先述のスコア基準表によりますと、そんな事は一言も書いてありません。高得点の基準として掲げられているのは全体的に“sustained, coherent discourse”であるべきだ、ということです。さて、早速の宿題です。これらの単語の意味を調べて、それがどういうスピーキングを指すのか、次回までに考えてきてください。少なくともその塾の先生のおっしゃるような形にしないといけない、ということはありません。
- TOEFL iBTテストスピーキングって、パソコンに向かって話すのですよね?チャットみたいな感じでリアルタイムで相手と話すのですか?
- Answer:
- いいえ、実はパソコンの中に人が隠れていて・・・というのはウソで(笑)、皆さんが喋った回答はデジタル録音され、アメリカのETSのデータセンターに転送されます。そこに各採点者がアクセスして採点する仕組みになっています。採点システムに関しては次回にお話します。
- パソコンに向かって話すって、なんか変な感じというか恥ずかしいというか・・・どうしたらいいでしょうか?
- Answer:
- 普通に話すのは平気だけど、パソコンの前になると緊張する、というのはよく聞きますね。解決策としては、好きな人やアイドルの写真をデスクトップに貼るのはいかがですか(笑)?それがダメなら、せめて、日頃からパソコンでマイクを使い慣れるようにしましょう。英語を喋る人とチャットができればいいのですが、ネイティブでなくともTOEFL iBTテスト受験者同士で、英語だけで喋ることを決めてチャットで練習しあう、などの方法もあります。あとはできるだけパソコンのサウンドレコーダーを使い慣れることは重要ですね。自分の声って、録音して聞くと物凄い気持ち悪いですよね?ですがテストである以上多少気持ち悪くても仕方がありません。慣れましょう!
この様に、スピーキングに限らず、TOEFL iBTテストに関して疑問に思っていたりあやふやな知識のまま取り組んでいたりするかもしれません。少しでもそれらを取り除き、自信を持ってテスト対策に臨みましょう。では第1回目の連載はここまでです。次回(TOEFL iBT® テストSpeaking対策 No.2Speakingってどうやって採点されるの?)を掲載予定です。お楽しみに。ではまた次回にお会いしましょう!
- 五十峰聖先生
- ETS Authorized Propell® Facilitator
ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator
- 桜美林大学 芸術文化群 特任講師
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上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。