2014.11.25
【対象レベル:初級・中級】
第21回 TOEFL iBT® テストSpeaking対策 公開添削指導①
Speaking Independent Task
皆さんこんにちは。だいぶ寒くなりましたね。年内のTOEFL® テスト対策もあと少しとなりました!スッキリとした気分で年末年始を過ごせるよう、年内最後のラストスパートです。頑張りましょう!
さて今回は以前より募集していた「Speaking公開添削指導」の第1回目になります。ここでは実際に学習者の方に課題に答えていただき、その録音音声をここで紹介しながらアドバイスをしていきます。学習者の方はもちろん、読者の皆さんにとっても実際の指導の様子がここで音声を通してわかりますので、非常に有効な学習方法です。是非とも参考にしてください。それでは始めましょう!
学習者のご紹介
- 大学1年生 ユイさん(仮名)
- <現在の英語力>
高校2年生時に英検準2級を取得。TOEICテストの最高スコア635。TOEFL iBTテストは未受験。
<TOEFL iBTテストを受験する理由>
大学の留学制度を使って留学をしたい。それによって英語力を高めるのと、世界を知ることでより広い視野を持ちたい。
<今までのSpeakingの学習状況はどうか>
学校の授業では話すことを目的としているため、文章が論理的に組み立てられない。また、ただ単語を並べるだけになってしまっている。
<TOEFL iBTテストの学習で困っている点や悩んでいる点>
英語力も高くなく、独学で行っているのでどのように勉強すれば良いかという点。特にスピーキングは限られた時間の中で行うためパニックになってしまう。
なるほど、特に今まで特別にTOEFLテストの Speaking対策をしたこともないので、まだ漠然とした方向性しか見出せていないようですね。ユイさんのように独学で対策しようとするのはなかなか難しいのも事実ですね。ご心配なく。そのような方々のための「ETS公認トレーナー直伝 TOEFL iBT® テスト対策、ここがポイント!」です!これから一緒に頑張りましょう。
出題Taskとポイント
さて今回は初めてということもあり、ユイさんにはまず Task 1、Independent Task を出題しました。トピックは以下の通りです。
Topic
“Describe a famous person you admire. Use details and examples in your response.”
(準備時間:15秒、解答時間:45秒)
気をつけるポイント
- 1.有名人が誰なのか、アメリカ人にわかり易いように説明する
アメリカ人でも知っているような人であればよいのですが、そうでない場合は
きちんとそれが誰なのかを説明しなくてはなりません。
- 2. その有名人の功績は何か
1.と似ていますが、説明の中でなぜ有名なのか、つまりどういう功績がある人なのか、
について触れる必要があります。
- 3. なぜその人をadmireするのか
1.と2.だけでは、単なる人物紹介で終わってしまいます。自分がその人に対する思い入れは
どれくらいなのか、どうやってその人の事を知ったのか、どのような感情なのか、など自分
の話も当然しなくてはなりません。
読者の皆さんもよかったら本番のつもりで、各自45秒で話して録音してみてはいかがでしょうか。
1回目提出とフィードバック
このトピックでユイさんに1回目の録音を提出していただきました。録音にあたっては初回の録音でもよいし、数回練習してからでもよいとの指示を出しました。
- ユイさんの1回目の提出
左のアイコンをクリックして、ユイさんの1回目の解答を聞いてみましょう。
*Sound Cloudに移動します。左のアイコンをクリックするとすぐに音声が流れます
杉原千畝(すぎはらちうね)を尊敬する人物に挙げてきましたね。これに対して私は以下のようなフィードバックを送りました。
- <Topic Development>
- ・人物の紹介はできているが、事実の紹介だけになっているので、「なぜ私が
admireするのか?」に触れていないのが問題。
- ・例えば、この人の話をどこで聞いたのか(授業、テレビなど)、その時にどのような感情
だったのか、などを入れる。
- <Language Use/Grammar>
- ・“My admirable person is…”
不自然な表現なので、“A person I admire is…”と簡単に直す。
または“An admirable person for me”というのもあり。
- ・“He helped Jewish in World War II.”
間違いではないが、Jewish people としたほうが適切。
- ・“He issued visas from Lithuania to Japan…”
誰に発行したのか、また厳密には彼自身が「発行」したわけではないので、
「ビザを取得するのに協力した」などの言い換えの方が適切ではないか。
- ・“He had priority Jewish…Jewish lives than his…”
than を入れるだけでは比較級にならないので、priority の使い方も含めて構文を見直す。
- ・全体的にHe…He…He…という構文が続いている
断片的な印象になり、構文のバラエティが乏しい。また Transition markers(転換語)を
積極的に使うようにする。
- <Delivery>
- ・全体的に声が小さいので、声のボリュームを上げて、ハッキリと。
- ・発音そのものは良い。
- ・“He had priority Jewish…Jewish lives…”
このあたりが聞こえづらいのでクリアに話すように心がける。
- ・ペースが若干遅い。あまりにも遅すぎると、文章をつなぐのに自信がない、戸惑っている、
と採点者に思われてしまうので、繰り返し練習してスピードを上げて、自信を持って
堂々と話す。
2回目提出とフィードバック
上記のフィードバックを送ってから間もなくして、ユイさんから2回目の提出がありました。
- ユイさん2回目の提出
左のアイコンをクリックして、ユイさんの2回目の解答を聞いてみましょう。
*Sound Cloudに移動します。左のアイコンをクリックするとすぐに音声が流れます
どうでしょう?だいぶ improve したのがおわかりですか?
これに対しての私のフィードバックです。
- <Topic Development>
- ・1回目のフィードバックで指摘した点が改善されていて良い。
- ・感情を示す表現がもっとあると良かった。例えば “I was moved to tears!”
(涙を流すぐらいに感動した!)ぐらい多少大袈裟にしちゃっても大丈夫!
- <Language Use/Grammar>
- ・“When I knew about him…”
know は「知っている」という状態を表すのであり、「知った」という行動を示す時には
“When I learned (found out) about him”などにするほうが適切。
- ・“by watching TV program his achievement”
…TV program about (またはon) his achievement.
- ・“He issued visas from Lithuania to Japan…”
makeだと「~させる」という使役になってしまうので、helpのほうがいいだろう。
- ・Transition markers(転換語)
まだ少ないので、これからもっと意識して入れる必要がある。
- <Delivery>
- ・“by watching TV program his achievement”
若干聞き取りづらいので、ゆっくり、ハッキリと!
- ・声量、ペースともにだいぶ良くなった。まだまだ頑張れる!
それではまた次回(第22回 TOEFL iBT® テストSpeaking対策 公開添削指導②Speaking Independent Task)お会いしましょう!
- 五十峰聖先生
- ETS Authorized Propell® Facilitator
ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator
- 桜美林大学 芸術文化群 特任講師
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