“TOEFL iBT® テストは学習を通じて、英語だけでなく教養も身に付けられる”
米国の経営大学院でMBAを取得する目的でTOEFL iBT® テストを受験しました。
MBAを狙う場合はほとんどの大学院でTOEFL iBTテストが課され、スコアも90後半~100以上を求められるケースが多いので、そのスコアを目標にしていました。
TOEFL iBTテストの学習を開始するまでは全く受けたことがなく、試験の内容すら知りませんでした。
TOEIC® テストは何度か受験経験があり、800程度だったと思います。ただし、試験形式も大きく異なりますし、取り扱われる英文の内容もアカデミックな考古学、美術史、天文学などが問われるため、2015年に初めて受験したTOEFL iBTテストは80台でした。これでは米国の大学院入学の条件には達していないので、とても焦りました。
TOEFL iBTテストの学習を始めて感じたことは、とにかく単語と背景知識が足りない、ということです。TOEICテストのようなビジネス系の英語では見たこともないような単語や文章の内容を理解しないといけないことに焦りを感じました。
また、それに伴うアカデミックな文章の展開(抽象→具体、主題→理由など)に慣れ、体に染み込ませることも課題となりました。
それから、TOEICテストでも苦手意識のあったListeningも課題としてありました。少し早い口調、少し長い文章になると、途端に頭がついていけずに思考がストップしてしまう、という状態でした。
<単語と背景知識>
単語は単語帳を使わずに、TOEFL iBTテストの参考書で分からない単語が出てくる度に自作の単語カードを作成していきました。英単語、日本語訳、例文を書いていきます。これは作成時にはとても時間がかかるのですが、電車の待ち時間やトイレの中などでの細切れ時間を学習時間に活用できるようになりました。
私のような社会人は細切れ時間をいかに有効に使えるか、が勝負でしたので、この方法は今から振り返っても良い方法だったと感じています。
背景知識は、中学や高校で習う理科や社会の内容(生物学、化学、天文学、世界史、美術史など)について、すっかり忘れてしまっていましたので、あいまいなところを重点的に日本語で改めて学び直しました。YouTubeやブログなどで分かりやすく解説してくれている動画や図などもあり、とても役立ちました。さらに、ディスカバリーチャンネル、アニマルプラネット、ヒストリーチャンネルなどの有料放送チャンネルでも、太陽系の起源や、動物と生態系などのTOEFL iBTテスト必須テーマを英語音声で放送しているものを視聴することで、視覚的にも理解を深めることができました。
<Reading>
あまり英文が読めない実力しかない時期に、テクニックで解こうとしていたのですが、そんなもので正解できるほどTOEFL iBTテストは甘くなかったです。逆に、英文の内容をしっかりと理解できていれば、テクニックを使わなくても正解にたどり着くことができることに気づいてからは、単語、背景知識がある前提で、1文1文の精読を確実にするようにしていきました。さらに、確実に理解できるように長文をプリントアウトして常にカバンに入れておき、時間を見つけては常に読む、ということを繰り返しました。同じ文章を10~20回ぐらい読んでいると、だんだんと読むスピードが早くなり、次に知らない文章を読むときにもスピード向上が実感できるようになっていきました。恐らく構文の理解が瞬時にできるようになったからだと思います。
<Listening>
Listeningの苦手を克服するために、文の暗唱、という訓練を取り入れました。まず1回解いた問題のスクリプトを精読して単語、文構造をすべて理解します。そのスクリプトを1文ずつ暗唱します。
最初は2単語ずつぐらいしか言えないのですが、句ごと、節ごとと言えるようになり、最後は1文を空で言えるようにします。この訓練を続けていくと、頭の中に長い英文を保持しておくリテンションの力が付き、Listeningに役に立つのはもちろんですが、4セクションすべての学習が加速するようになりますのでおすすめです。暗唱を取り入れる前は、シャドウイングをやっていたのですが、あまり意味を意識せずに音マネだけに意識がいっていて、リスニング力の向上に繋がりませんでした。暗唱では、自分で文を再生する時に意味に意識を置くことで、リスニング時にもすっと意味が浮かぶようになりました。ですので暗唱に取り組む際には単に文字の羅列としてではなく、意味に意識を置くようにしてください。
<Speaking>
タスク1、2は内容を自分で作らないといけませんので、コンテンツのストックを目的に20程度の例題に対する回答文を100単語で作成して暗記しておき、本番ではそのストックの表現をうまくピックアップして使っていました。このストックを作るためには普段からネイティブが話しているスクリプトなどを多く読んで覚えると良いと思います。ENGLISH JOURNALなどのインタビューはおすすめです。タスク3~6も例題の回答文を多く作って覚える、という対策をしていましたが、ここはListeningの会話、レクチャーで暗唱していたものがそのまま使えたり、という相乗効果がありました。
<Writing>
Integratedの方はListeningパートが苦手で、重要な内容を聞き漏らして減点されていました。リテンション力が低いときは、一字一句をメモしていたのですが、ある程度保持できるようになると、1文を聞き終わってから重要なキーワードだけメモする、あるいは全くメモしなくても覚えている、という状態になりました。
Independentの方は賛成でも反対でも理由をいくつか挙げる必要がありますので、普段からいろいろなテーマについて理由をすぐに2つ挙げる、という練習をしていました。さらにその理由を裏付ける具体例を作るところまでやっておくと、本番でも骨子を作るのが楽になります。また、ReadingやListeningで覚えた表現をWritingでも使っていくように意識していました。
とにかく4時間という長い時間で集中力を維持しないといけません。初回の受験では本当にクタクタになったことを覚えています。各セクションの後半ではあまり力を発揮できていなかったのではないかと思います。ということで、普段の学習から本番より少し多い分量を取り入れていく、ということを意識しました。例えば、Readingだと3パッセージ+もう1パッセージを一気に解く、Speakingもタスク1だけを3題ぐらい一気に喋る、など。最初はキツいですが、次第に慣れてきて、本番でも疲れにくくなりました。
TOEFL iBTテストの試験内容はアカデミックなものなので、日常英会話やビジネス英語には役立たないのでは?と私も最初は思っていました。しかし、天文学、生物学、生態系などの分野の問題に取り組んでいくうちに、社会人としての教養が身に付いたなと感じています。TOEFL iBTテストがきっかけで、日本語でも科学系の本を読んだり、世界史にも興味が出てきたり、と関心が広がりましたし、英語+アルファの学びがあったと思っています。これから学習されるみなさんも、英語だけでなく教養も身に付けられる、というメリットも感じていただけたらと思います。私自身もまだまだTOEFL iBTテストの学習は続けていきますので、みなさんも一緒に頑張りましょう。
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TOEFL®Essentials™️ テストは、4技能(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)の総合的な英語力を測る自宅受験型テストです。大学入試などで受験者の英語力を判定する上で、重要な判断材料となることが期待されています。このテストは、「アカデミックな英語力」と「一般的な英語力」を組み合わせて測定します。