“TOEFL iBT® テストを通じて自分の英語能力をさらに高い段階に持っていきたい”
研究者志望のため、将来日本で海外の研究者と交流したり、在外研究を行ったりすることを視野に入れて、現在、アカデミックな場面での英語能力がどの程度であるのか知ることが主な目的でした。
また、学内の留学プログラムへの応募資格として一定以上のTOEFL iBT® テストのスコアが要求されており、当初はそれに必要なスコアを取得しようとも考えていました。
今回TOEFL iBTテストを初めて受けました。他の英語運用能力を測る試験もここ2年は受けていません。そのため客観的に英語力を示すことは難しいですが、大学初年次に受けたTOEIC® テストのスコアは870でした。
私は専門の論文を英語で読む機会が豊富にありReadingには自信がある一方、ListeningとSpeakingは、せいぜい大学での外国人研究者との専門に関わる話し合いで必要な程度の英語力で、日常会話にはあまり役に立たないものと認識しています。Writingは論文のアブストラクトを書く程度のことしか普段はしておらず、特に苦手とも得意とも感じていませんでした。
Writingで時間が不足することが最も大きな課題でした。私はPCで作業する機会が多いにもかかわらず、英文をタイプすることには慣れていなかったので、最初に過去問を解いたときは指定字数の半分も書き終わらないうちに時間切れとなってしまいました。
過去問の模範的な解答と自分の解答を比べていると、自分の解答の説得力の無さに気づかされました。これはアウトプットに使える語彙の少なさと経験の足りなさに原因があります。
またSpeakingでは、質問に対して短時間で考えをまとめて一定時間話し続けるという問題形式に戸惑い、質問に対して正確に過不足なく応答することの難しさを痛感しました。
Listeningは当初、講義や会話に押し捲られるという感覚を抱きました。要求されている最低限のリスニング力の水準に到達していないことを実感しました。
WritingについてはPCのメモ帳に過去問を解答することを毎日続けました。休まず続けることで、タイピングの正確さと速さが上がり、英文の質も日々高めることができました。自分なりに工夫したことは、制限時間を短く設定して解くこと、MS Wordの類語変換機能を使って語彙を増やすこと、模範解答を徹底的に分析してその良い点を盗むことです。
特に、WritingとSpeakingでは付け焼刃の常套句に拘泥するのではなく、あくまで実力を養うことを意識しました。また、TOEFL® Web Magazineで紹介されている先生方の連載は全て目を通し、必要な部分は印刷して何度も見直しました。特に五十峰先生のSpeaking公開添削は示唆に富み刺激を受けました。
他には、YouTubeにも有益な学習素材が多数あり、暇な時間には聞いて耳を慣らしていました。もっとも、模範的な解答にできるだけ多く触れることが学習の近道だと思われますが、こうした学習素材はあくまで学習の合間に楽しむものと考えていました。
初受験でどの程度取れるのか分からなかったので、90以上を一応の目標にしていましたが、結果は80を少し上回る程度でした。準備期間1か月の成果として、掛け値無く良い出来だと思っています。
ただ、反省点はいくつもあります。まず、懸念されていたWritingは問題が難しく長考してしまい、指定字数を超えることができず、また無闇にパラフレーズや複雑な構文にしてしまったきらいがあります。アカデミックな語彙について未だ不安があるため、AWL(Academic Word List)など適切なツールを用いつつ、今後も改善していきたいです。
次に、Listeningについては、理系のテーマでの出題を苦痛に感じることが多く、慣れが足りていないと感じました。英語のリスニング力が高ければ、テーマが何であれ聞き取れるはずだからです。また、講義の大枠は分かっても細部を問われると答えられないのが多いこともリスニング力の低さを示しています。
Speakingは本番でも落ち着いてポイントを押さえて答えることにこだわったのが功を奏したと思います。全てのセクションで同じようにできることが今後の課題として残っています。
率直に言って、TOEFL iBTテストは受験料や難易度の点から、日本では敬遠している人がいる試験だと感じます。一方で、そのスコアが英語能力の証明として世界的に高く評価されていることは周知の通りです。
受験を躊躇している人には、とりあえず受けてみることをすすめたいです。私は長らくTOEFL iBTテストに対して憧れに似た感覚を持っていましたが、結局受ける機会を逸して、その間に英語能力も高められずにいました。しかし、今回のTOEFL iBTテスト受験は4技能にわたり、良い学習機会を提供してくれました。
最後に、TOEFL iBTテストの受験で、一般的に大学院留学条件の最低ラインと言われている80よりも高いスコアを取ったからといって満足してはいけないと私は思います。米国のトップレベルの大学で学んでいる私の先輩によれば、そのような大学に留学する学生は満点近くを取得しているのが普通だと言っていました。
その意味で、私は今後もTOEFL iBTテストを通じて自分の英語の能力をさらに高い段階に持っていきたいと思っていますし、皆さんもぜひその長い道程を一歩踏み出し、進まれることを願っています。
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TOEFL iBT®テスト受験のススメ
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TOEFL®Essentials™️ テストは、4技能(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)の総合的な英語力を測る自宅受験型テストです。大学入試などで受験者の英語力を判定する上で、重要な判断材料となることが期待されています。このテストは、「アカデミックな英語力」と「一般的な英語力」を組み合わせて測定します。