TOEFL iBT®テスト体験レポート

受験経験者による体験レポート。ワンポイントアドバイスも!

  • ETS Japanスタッフ

  • 【TOEFL iBTテストスコア】
    2020年4月受験 85(Reading:21、Listening:23、Speaking:18、Writing:23)
    2020年6月受験 86(Reading:21、Listening:23、Speaking:18、Writing:24)

【特別編:第2回】ETS Japanのスタッフが自宅受験TOEFL iBT® Home Editionを受験した体験談をご報告!【特別編:第1回】はこちら

“日常生活とは全く違なる世界に興味関心を持つことで、仕事の向き合い方にも変化がありました”

受験目的

30代半ばに差しかかった頃、日英通訳の世界に憧れるようになり、通訳者・翻訳者を養成する学校に週末通い始めました。そこで、留学経験が短い人、留学経験が全くない人の中にも、日本語・英語の語彙力や、様々なトピックの知識量が自分よりも圧倒的に多く、優れた訳出・デリバリーをされる人たちと出会いました。その人たちに共通していたのは、職を持ちながらも、しっかり時間を確保して、日常的に勉強していたこと。生徒さんは9割以上が自分よりも年上でした。さらに働きながら複数のお子さんを育てている方、頻繁に深夜残業や海外出張をされている方など、圧倒的に自分に使える時間が限られている方たちが、日々勉強する時間を捻出し、目標に向かって努力する人生を送っていることを知り、「海外経験」「忙しさ」「年齢」などを理由に言い訳をしていた自分がすごく恥ずかしくなりました。

通訳者養成学校に通い始めて3年目、担当教員からこのようなコメントをいただきました。「あなたは、英語的なセンスはあるけど、それを適切な日本語に表現するのが苦手。要旨を問う問題、TOEFL®テスト、英検などの四択問題をもっと試してみて」これ以来、自分の苦手や弱みと向き合うため、本格的にTOEFL iBT® テストの勉強をすることを心に決めました。

受験時の英語力

2020年4月にTOEFL iBT® Home Editionを受験しました。その時の体験レポートに詳細を記載しています。

受験時の課題

SpeakingとReadingセクションの伸び悩みです。まずSpeakingに関しては、1回目のTOEFL iBT® Home Edition受験の際に、時間切れで読み終えられなかったパートと、時間制限内に意見がまとまらなかったパートがあったので、その部分の対策が必要でした。

また、Readingに関しては、TOEFL iBTテストが取り扱う専門分野のうち、生命科学(生物学、医学、生態学など)や、自然科学(海洋学、環境学、公衆衛生学、物理学、化学、天文学、惑星、氷河期・砂漠・動植物・魚類・水生生物・大気など)の領域が苦手で、背景知識を日本語で補うところから始めました。

受験対策

過去のTOEFL iBTテスト体験レポートを片っ端から読み漁り、高得点を取られた方の試験対策を試しました。その中でも公式テキスト(The Official Guide to the TOEFL® Test)を穴が空くほど読み、何回も解く、というアドバイスが印象的で、試してみることにしました。

公式テキストを使ったのは初めてでしたが、付属のDVD ROMでスピーキングの高得点者の模範解答をオーディオで聞くことができたり、高得点の根拠が何なのか英語で読んだりできたことは、納得感を得る上で非常に役立ちました。苦手意識の強いReadingも、TOEFL iBTテスト4回分の問題を読み解いていく中で、苦手な生命科学、自然科学の分野のPassageが出てきたら、都度日本語で関連記事を探し、背景知識を補足するようにしました。

その他にSpeaking専用のオンライン模試を受験したり、TOEFL® Web Magazineに掲載のETS公認トレーナーのアドバイスを読んだりしました。

受験後の感想

まず、結果的に前回の受験からスコアが1点しか上がらなかったのが残念でした。ただ、よく考えてみると、私は大学留学をしていますが、難関校に通っていた訳ではないので、留学時に必要だったスコアはTOEFL iBTテスト61、留学3年目に受験したときのスコアを換算すると(当時はTOEFL® CBTテスト(*1)なので正確に置き換えることはできませんが)現在とさほど変わらないことに気づきました。つまり、私のTOEFL iBTテストで測れる英語力の限界がスコア85あたりにあるようなのです。これは、今後英語学習を続けていく上で大きな気づきとなりました。

次に、社会人としてTOEFL iBTテストの勉強をしたことで仕事にどんな影響があったのか、ご報告したいと思います。

1. 一つの作業に集中できる時間が以前より長くなった

職業柄、マルチタスクが求められるため、複数のことが常に頭の中にある状態だったり、動画や情報のWEBブラウジングが癖になったりしているのですが、TOEFL iBTテストの問題はとにかく集中力が大事なので、その訓練をしたことで、一つの作業に没頭できる時間が長くなったように感じます。テストに取り組んでいるときは徹底的に目の前の課題と向き合うため、普段はいかに注意散漫な状態で仕事に携わっていたのかを知る機会となりました。

2. 限られた時間内での会話に無駄がないかを意識するようになった

Speakingセクションでは、時間内に必要な情報をまとめて相手に伝える要約力が必要となるため、普段のビジネスコミュニケーションの場でも、無駄を省いた偏りのない情報を、限られた時間の中で相手に伝達しようと意識するようになりました。特に私は内勤者で、長年顔なじみのスタッフと働く環境にあるため、自然とダラダラと話す癖がついてしまっていました。一度習慣になってしまったことを変えるのは中々難しいですが、業務時間と、それ以外(ランチや業務終了後など)でこれからも話す内容やスピードを変えていきたいと思っています。

3. 日々の暮らしに直結しないことでも、探求心を持てるようになった

テストで出題されるトピックは、主に海外の大学の授業やキャンパス内で交わされる会話なので、日本国内の企業・団体に勤める社会人が日々生活していく上で必要不可欠な話題ではありません。また、教育業界で働いているので、サイエンスの領域に関する知識がなくても、仕事への支障は殆どありません。しかし同時に、「必要不可欠かどうか」「仕事に支障があるかどうか」だけを軸に日々情報収集する癖がついてしまうと、結果的に仕事のあらゆる場)面において、受動的な人間になってしまうことに気づきました。知らないこと、経験がないことについても、探求心を持って「もっと深く知りたい」と感じ、調べていけるかどうか。これは、仕事に置き換えたとき、“全く経験のない業務に対して、知りたいと思って、調べられるか”だったり、“困っている人の立場や視点でも、物事を考え、行動できるか”だったり、組織に大きな変化があったときに、“今までの常識に囚われず、柔軟に考えたり、動いたりできるか”といったことにも繋がる気がしています。

TOEFL iBTテスト

4. 日々の「もうちょっとだけ頑張ってみよう」が自信に繋がった

“今日は疲れていて勉強したくないなぁ”という日も無理矢理デスクに座って、眠さや疲れの限界が来るまで脳を動かすことで、普段「ここでやめてしまおう」と思うところから、さらに少しだけ努力できるマインドが身に付きました。最初からいきなり何時間も勉強すると、次の日勉強が嫌になってしまうので、集中できる日だけ行い、その日、努力できた自分を褒めて、次の日は少しだけ頑張る。それを繰り返していくうちに、段々TOEFL iBTテストの勉強が日常化でき、苦しくなくなっていった感覚があります。日々の努力で習慣を変えられたこと、そのことが自信に繋がり、仕事に向かう姿勢も以前よりポジティブになった気がします。

受験後の感想

 

2011年からETS Japanで勤務していますが、これまで直接TOEFL iBTテストに関わる仕事に携わってこなかったため、それを理由に8年間、全くTOEFL iBTテストを勉強せずに仕事を続けてきました。しかし今はもっと早くから始めておくべきだったと心から後悔しています。

国際教育業界に長く身を置く上で、英語学習を「他人事」と思うか「自分事」と思うかでは大きな違いがあると思っています。というのも、自分自身が学生の頃、「自分は昔〇〇だった」とか「自分はもう年だから、若い君たちが頑張ってくれ」といった発言する大人が凄く嫌いでした。しかし、いつしか自分自身がそのような大人になってしまったのではないか、不安に感じることがあります。日々の社会人生活を流れるように過ごしてしまうことで、いつの間にかTOEFL iBTテストを学ぶことが億劫になってしまっていたこと、また、そんな自分の意見に同調してくれる人の側で自分を安心させていた期間があったことは否めません。

2020年3月以降、新型コロナウィルスの影響が世界的に広がり、これまでの常識や価値観が大きく変わり始めました。外出自粛期間中、自宅という環境下でTOEFL iBTテストの勉強に没頭しTOEFL iBT® Home Editionを2度受験できたことは、私の社会人人生で大きな収穫となりました。いつまでも新しいことを楽しく学ぼうという姿勢を忘れずに。引き続き、仕事と並行しながらTOEFL iBTテストの勉強を続けていきたいと思います。

(*1)TOEFL® CBTテストは2006年9月に全世界で終了しています。

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TOEFL®Essentials™️ テストは、4技能(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)の総合的な英語力を測る自宅受験型テストです。大学入試などで受験者の英語力を判定する上で、重要な判断材料となることが期待されています。このテストは、「アカデミックな英語力」と「一般的な英語力」を組み合わせて測定します。

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