ワードファミリーとは何でしょうか?単語の数え方は複数あります。現行の高等学校学習指導要領ではレマ、もしくはワードファミリーを用いて3,000語を習得するようにとされています。3,000レマと3,000ワードファミリーはどう違うのでしょうか?
レマとは見出し語と屈折形をまとめて1語とする考え方です。例えば、accomplishという見出し語とその屈折形であるaccomplished, accomplishes, accomplishingの4つをまとめて1語と数えます。レマでは原則として品詞は同一となります。一方で、ワードファミリーとは見出し語・屈折形に加えて、ある一定のルールに基づいた派生語も含めた数え方になります。例えば、accomplishの屈折形に加えてaccomplishment, accomplishmentsを含めて1語と数えます。
このように3,000レマと3,000ワードファミリーは総数が異なります。
レマは品詞が同じなので分かり易いですが、ワードファミリーは異なる品詞も含むことから分かりにくいという学習者もいると思います。このため、レマを用いて数えるべきだという研究者もいます。しかし、基本の3,000語を習得している学習者であれば接頭辞、接尾辞から意味の推測はそれほど困難でないと考えられます (Nation & Webb, 2011)。TOEFL® テストのライティングセクションやスピーキングセクションのように発信力を測る場合はレマの方が好ましいと主張する応用言語学者もいますが、リーディングやリスニングなど理解力を測定する場合、ワードファミリーを用いた研究のほうが多く行われています。
TOEFLテストReading sectionの最初の目標語彙サイズとして4,000ワードファミリーの習得が推奨されますが、「accomplishの名詞形は何?」といった発信型の学習ではなく、accomplishmentを見たり聞いたりした際に意味が分かる形で4,000語の習得を目指してほしいと思います。
次回をお楽しみに!
【引用文献】
Nation, I.S.P., & Webb, S. (2011). Researching and analyzing vocabulary. Boston, MA: Heinle.