スペシャルインタビュー
英語を活かしグローバルに活躍されている方や話題の企業や団体にインタビュー
- 株式会社ワークスアプリケーションズ
-
右:Global Sales & Marketing Division Ms. Chihiro Ichikawa
左:Recruiting Division Mr. Kensuke Suzuki
“ビジネスフィールドで活躍するには、単に“言葉が話せる”だけではなく、言語を超えたコミュニケーションや交渉力が必要”
貴社について及び業務内容についてお聞かせください
- 鈴木さん:
- 一般にはあまり馴染みがないかも知れませんが、大手企業や官公庁に対して事業活動に不可欠なITインフラを提供しています。例えば、タレントマネジメントといわれる人材戦略の領域では、企業あるいは組織体をより良く改善していくために、「人材をどのように配置していくべきか」「どういう人材へと育成していくべきか」などの情報を蓄積・分析するビジネスアプリケーションをつくっています。現在はアジアトップシェアを頂戴しており、今後はグローバル・テクノロジー・カンパニーとして世界規模でのビジネスを手掛けるため、世界各都市への拠点拡大を計画しています。
グローバル化を進める中で、貴社の英語の利用状況について教えてください
- 鈴木さん:
- まず、当社ではアメリカや中国、インド、欧州など全世界で採用活動を実施しており、世界トップクラスの大学から優秀な人材を無限採用しています。2014年度の採用実績では、新卒社員の約半数が外国籍の方になったほどです。ですから、全体の2割程度が日本語を話せない外国籍社員で、その方たちとは英語を前提としたコミュニケーションをとっています。加えて、国内拠点で働く日本人社員を、積極的に海外拠点に送り出しています。しかも、語学力は問わず、海外勤務を希望する社員に対して「行ってこい」というスタンスです。なぜならば、ビジネスフィールドで活躍するには、単に“言葉が話せる”だけではなく、言語を超えたコミュニケーションや交渉力が必要になるからです。
当社では、優秀な人材が能力を最大限に発揮し、活躍出来る環境を提供することを、ミッションの一つとしています。だからこそ、英語を話せない社員を海外へ送り出しているのです。不自由がないように整えられた環境の中で、会社から、先輩から教わることを忠実にこなすだけでは、知識や経験を重ねることは出来るでしょうが、個人の能力を開花させることは出来ません。能力は、難しい課題に自ら挑戦し、自分で考えて行動することで鍛えられます。そして、それは世界で通用する人材としての前提条件でもあります。グローバルの採用活動の中で感じるのは、この点において、日本の学生は海外と比べて遅れをとっているということです。ですから、グローバルで活躍する人材になるためには、より早く能力を鍛えて成長することが求められるのです。
- 編集部:
- 英語の習得もビジネスの機会も提供してくれるという採用プログラム「Global Express」も、そういった思いから始まったのでしょうか。
- 鈴木さん:
- 当社のように、幹部社員だけでなく全社員を他国へ送り出すということは、多くの企業が出来ない・やらないことでしょう。経営効率や語学力だけを重視するのであれば、現地で雇用した方が良いですからね。そう考えると、世界のビジネスフィールドで通用する問題解決能力は既にあるのに、英語力だけがなくて日本に留まっている人が、企業の中には数多く埋もれているのではないか。ここから発想が広がり、そのような方たちに海外で働く特別プログラムを提供することで、グローバルで活躍出来る人材に育てようというのがきっかけです。
具体的に、海外で行う育成型プログラムは二つあります。一つは英語の習得として、現地の語学学校と提携し制作したビジネス英会話プログラムです。単に上手に話せるというだけではなく、実際のビジネス現場で必要な英語力を身に付けることを目的にしています。二つ目は、習得した英語を使って、実際のビジネスに携わる実務経験プログラムです。例えば、開発職ならば多国籍のエンジニアたちに混ざり、英語でコミュニケーションをとりながらモノづくりに携わっていただきます。これらのプログラムの中では、「日本語だと出来るのに英語だと出来ない」ということが往々にして起こります。そうした失敗や挫折などの悔しい思いを持って、翌日に語学学校で英語を極める。その繰り返しの学びを通じて、実践的な英語力を身に付けられるのが、「Global Express」のコンセプトです。
- 編集部:
- このプログラムは入社後からシンガポールで約3か月間行うということですが、なぜシンガポールなのでしょうか。
- 鈴木さん:
- 理由は大きく二つあります。一つは、既にシンガポールでビジネスを展開しており、ロールプレイではなく、実際のビジネスに携わる機会があること。もう一つは、シンガポールで使われる英語が、非常に多様だということです。今のビジネス社会には、ネイティブスピーカーだけではなく、例えばインド訛りや中国訛りの英語を話し、かつ様々なバックグランドを持つ方がいます。仕事をする上で、綺麗な英語を話すことは正解ではなく、英語を用いて自分の意見を主張することや、他人の考えを理解することが重要となります。それを実感出来るのが、シンガポールなのです。
- 編集部:
- そのような英語力を有する方にはどのようなことを期待していますか。
- 鈴木さん:
- やはり、世界のビジネスフィールドで活躍してほしいと思います。例えば、当社では、上海やシンガポール、ニューヨーク、ロサンゼルスに拠点を構え、今後も海外拠点の増設を計画していることから、全世界へ活躍のフィールドを広げることが出来るでしょう。また、国内拠点のダイバーシティー化を進めていく上でも、即戦力になっていただけるでしょう。当然、海外拠点では英語を公用語としていますが、いずれは国内においても、英語の公用化が必要になってきます。そういった際には、先陣を切って社内を引っ張っていってほしいと思っています。
貴社が求める人物像を教えてください
- 鈴木さん:
- 一言でいうと、「問題解決能力のある人」です。それは、難しくて誰もが“無理だろう”と諦める先進事例を、自ら生み出せる人です。最近では「スマートクリエイティブ」と表現されますが、当社では以前から「クリティカルワーカー」と呼んでいます。論理的に物事を考えられる能力に長け、また既成概念にとらわれず自由な発想転換が出来る、そういう方たちであれば制限なく採用していきたいと思っています。
- 編集部:
- 問題解決能力という部分で学生のうちから身に付けておけることはありますか。
- 市川さん:
- 正解のないものにチャレンジするのが良いと思います。問題を解決するには、物事の本質から突き詰めて考え、あらゆる可能性を探って、「これだ」という答えを自分で決めなくてなりません。仕事をする上で、あらかじめ正解が用意されていることなどありませんから、自分で答えをつくる経験をしたほうが良いと思います。例えば、ニュースや時事問題をみて、「私だったらどうやって解決出来るのだろう」と常に考える癖を付けるだけでも、問題解決の思考は身に付くでしょう。大学生ならば、「私は5年後10年後、どのようなキャリアを歩みたいのだろう」「どういう社会人になりたいのだろう」と考えるところから始めても良いでしょう。大それたことでなくても、日々の生活の中で出来ることはたくさんあります。後は、人が絶対にやらない、嫌がっているような難しいことに手を挙げることも大切です。答えがなく簡単に出来ないから多くの人は嫌がる訳で、そういう難題に自らチャレンジすることで考える力は付きますし、問題を解決するという行動に進めるのだと思います。
次回は株式会社ワークスアプリケーションズ ―後編―お届けします。
- 株式会社ワークスアプリケーションズ
(英文名称:Works Applications Co., Ltd.)
- ワークスアプリケーションズは、誰も実現出来なかったIT技術で、人々の“働く”を変えるグローバル・テクノロジー・カンパニーです。時間や手間がかかる面倒な仕事を瞬時に解決して、人々が楽しくワクワクして働く環境をつくりだしています。
上記は掲載時の情報です。 予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。