スペシャルインタビュー
英語を活かしグローバルに活躍されている方や話題の企業や団体にインタビュー
- 日本交通株式会社
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右:総務財務部労務課兼総合営業部総合営業課(広報担当)
課長 野村貴史さん
左:総務財務部総務人事課 佐藤千津さん
“東京オリンピックの開催決定が大きなきっかけとなり、業界全体として英語スキルを上げていくことが議論されるようになった”
貴社について及び業務内容についてお聞かせください
- 野村さん:
- 弊社は東京でタクシー、ハイヤーを営んでいる会社です。創業が昭和3年で、今年で87年を迎え、この業界の中では老舗と言われています。社員は7,000人、車両もタクシーだけでも約3,900台、ハイヤーを含めれば約5,000台の車を運行しており、売上高では日本で一番大きいタクシー、ハイヤー会社になります。またサービスの質にこだわり、「タクシーは拾うから選ぶ時代へ」ということをコンセプトに掲げ付加価値の高い商品を提供することを目標としております。マニュアルを作成するだけでなく社員が覆面調査官になり、お客様に接するための必要項目ができているかどうか、実際にタクシーに乗ってチェックをしたり、色々な各種資格の取得の促進ということで勉強会を開いたり、資格の受験費用なども会社が負担してスキルアップの環境を整えております。英語に関しても資格取得の推進や英会話研修を行っています。
観光タクシーについてお聞かせください
- 野村さん:
- 弊社の特色あるサービスとして、キッズタクシー、サポートタクシー、東京観光タクシーなどがあります。通常のタクシーとは異なる専門的なサービスを提供する「エキスパート・ドライバー・サービス(EDS)」と総称されるものでその中の一つである東京観光タクシーでは外国語対応も行っています。多くのドライバーが外国語でコミュニケーションを取れるようになることが今後の目標にはなりますが、現段階ではすぐに全社員が英語に対応できるようになるのは難しいので、車を配車する無線センターという部署に英語対応の専門スタッフを24時間体制で配置しております。基本的には外国からのお客様がそのまま英語でご注文していただける窓口になりますが、その他にも街中で乗車された外国人のお客様とドライバーとの意思疎通ができない時は、無線センターのスタッフが間に入って通訳をするということもしております。また、自社開発しているタクシー配車アプリ「全国タクシー」では英語の対応をしております。弊社の特徴でもある日本最大のネットワークを活かしたタクシー配車アプリですので、今後はより多くの外国の方に知っていただいて、日本に来られた外国人の方たちが気軽にタクシーを使えるように、認知度を高めていく努力をこれからしていこうと考えております。
- 編集部:
- 観光タクシーを始めたきっかけを教えてください。
- 野村さん:
- 観光タクシーのサービス自体は、元々個人のお客様をターゲットにより新しいニーズを開拓できないかというところからスタートしておりますが、それと同時にやはり東京オリンピックの開催決定が大きなきっかけとなり、業界全体として英語スキルを上げていくことが議論されるようになりました。
- 編集部:
- 2020年の東京オリンピックに向けて目標などはあるのでしょうか。
- 佐藤さん:
- 観光ガイドや観光タクシーの資格として、「東京観光タクシードライバー認定制度」というものがあるのですが、こちらの資格に弊社のドライバー100名を合格させるという目標があります。その資格取得を目標に、講師を会社に招いて、研修を週1回、120名を対象に行っています。
- 野村さん:
- 今年の1月から始めた試みですが、タクシードライバーというのは、勤務シフトが各々で異なり、1日おきに出勤するようなことが大半ということもあって、全員が週に1回一箇所に集まることは普通の企業に比べて大変なのですが、それでもやってみたいと意欲のある方が120名も集まってくれました。期間は2年間かけて行う予定です。
- 佐藤さん:
- 英語に触れる機会が少なかったドライバーも多いので、初級から行っています。現在観光タクシードライバーとして認定を受けている70名のうち8名が英語、中国語、韓国語に対応しているというのが現状になります。この8名ほどしかいない外国語でガイドができるドライバーを増やすことを目指しています。これらの方は元々外国語のスキルを持っていましたので、本サービスを開始する際に自身のスキルを活かせるということで応募してきた方が中心です。現状では本人のスキルに頼ってしまっている部分がありますが、今後は会社として外国語で接客ができる人材を育成していこうという取り組みを始めているところです。
次回は「日本交通株式会社 ―後編―」をお届けします。
- 日本交通株式会社
- 1928年に1台のハイヤーから創業した都内最大手のハイヤー・タクシー会社として、東京を中心に公共交通を支えています。「拾うではなく、選ばれるタクシー」として顧客満足を追求するとともに、スマートフォン配車アプリ、「陣痛タクシー」、「エキスパート・ドライバー・サービス」など新サービスを創造し業界にイノベーションを起こしています。
上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。