スペシャルインタビュー
英語を活かしグローバルに活躍されている方や話題の企業や団体にインタビュー
2017.03.28
アデコグループ「CEO for One Month」
2016年 日本代表 弘田百合子さん
人材ビジネスをグローバルに展開するアデコグループが、毎年全世界で開催しているインターンシッププログラム「CEO for One Month 」。経営トップの立場を体験することで人材を育成することを目的としたこのプログラムで、昨年(2016年)の日本代表に選ばれたのが国際基督教大学(ICU)3年生の弘田百合子さんです。1,800人のノミネートの中から選出された弘田さんに、プログラムの経験についてお伺いしました。
“3日間で必死に仕上げた英語のレポート”
CEO業務体験インターンシップ「CEO for One Month」についてお聞かせください。
編集部:
応募のきっかけを教えてください。
弘田さん: はじめに惹かれたのは、プログラムのネーミングでした。世界で一番規模の大きい人材会社の日本オフィスで「1か月間のCEO」をやるというのは、どういうことなんだろう。そんな純粋な興味がわいて、応募してみたいと思いました。 CEOというのは、経営のリーダーのことですよね。私自身、大学で経営について学んだことはほとんどなかったのですが、ミュージカルサークルで舞台監督などをやったことはあり、「リーダーシップ」についてはこれまで何度も考えてきました。ビジネスでのリーダーシップを体験できる貴重な機会になるかもしれない。応募するときには、そんなことも考えました。
編集部: どのような選考過程を経て日本代表に選ばれたのですか。
弘田さん: まずグループワークで、「30年後はどういう未来になっているか」「そこでアデコのCEOとして何をやっていくか」というテーマで話し合い、プレゼンテーションを行いました。その後、面接で4人に絞られ、同じテーマで今度は1人ずつ社長や本部長などの皆さんにプレゼンテーションをしました。最後の1人に選ばれたときは、「まさか私が」と本当にびっくりしました
編集部: プレゼンテーションはもともと得意だったのですか。
弘田さん: 演劇の経験もあったし、塾講師のアルバイトもしていたので、人前で話すのは苦手ではありませんでした。プレゼンテーションは、一種のストーリーだと思うんです。相手に何を伝えたいかをしっかり考えて、ストーリーを作って、それを言葉で表現していくのがプレゼンテーションです。そう考えれば、演劇とも共通点があるように思います。最後のプレゼンテーションでは、「自分がもし経営トップだったら」という視点をぶらさずに、自分自身がビジネスプランを立てるよりも、社員の皆さんが優れたアイデアを出しやすい環境を作る、というストーリーを念頭に置きました。そんなコンセプトを評価していただけたのかもしれません。
編集部: プログラムの具体的な内容についてお聞かせください。
弘田さん: プログラムの最終的な目標は、「未来に向けて継続的に成長していけるような会社になるためには」といったテーマのレポートを英語でまとめることでした。そのために、川崎健一郎社長はじめ、アデコの社員の皆さんに毎日のようにお会いし、「現在のアデコはどのような目標を掲げているか」「今後、どのような方向を目指していくべきか」ということについて一つ一つヒアリングさせていただきました。また、海外のアデコグループの方々とのインターネット会議などに参加させていただきました。 もう一つ、対外的な広報活動も重要なミッションでした。「CEO for One Month」の日本代表として、日々の活動をSNSで発信し、メディアのインタビューに応じる機会もたくさんいただきました。
編集部: 一番苦労したことは何でしたか。
弘田さん: やはり、最後のレポート制作とプレゼンテーションでした。大学の授業でビジネス計画などを作った経験はなかったので、まず、キャッチーでユニークなビジネスのアイデアをどう出すか、ということを真剣に考えました。 プログラムが始まって2週間目に中間報告があって、そのハードルはクリアしたのですが、残り1週間になったときに、川崎社長から「本当にこのプランでいいの?」というご指摘を受け、アイデアを一度すべてリセットすることにしました。確かに、ほかの会社でもすでに実行していそうな独自性のないアイデアだったんです。自分でもそれに薄々気づいていたのですが、時間がないことを理由に妥協していたところがありました。社長はさすがに、それを完全に見抜いていらっしゃいました。そこから、残りの時間で必死になって新しいアイデアをまとめました。
編集部: 最終プランはどのようなものだったのですか。
弘田さん: 人材マッチングの新しい仕組みを作るというプランでした。これまでの求職のシステムでは、求職者が希望年収や職種などを登録して、それに近い働き先を見つけるのが主な方法だったと思います。私が考えたのは、その登録情報を、趣味や好きなもの、ライフスタイル、家族構成などまで広げて、それを会社の風土やカルチャーなどとマッチさせていく仕組みでした。仕事を探している方が「私はこういう人です」ということをトータルに伝えて、それに応じたきめ細やかなマッチングを実現していく。そんなアイデアです。自分でも、納得できるプランができたという実感がありました。
編集部: それを短時間で英語のレポートにまとめるのは大変だったと思います。
弘田さん: 本当にその通りで、レポート執筆に充てられる時間は3日間だけでした。日本語で下書きをする時間はまったくなかったので、A4サイズで10枚ほどのレポートをすべて英語で始めから書きました。あのときほど「これまで英語をしっかり勉強してきて良かった」と思ったことはありませんでした。
アデコグループ「CEO for One Month」2016年日本代表 弘田百合子さん ―後編― は、これからの夢やビジョンについてお伺いします。お楽しみに!
アデコ株式会社
アデコ株式会社は、スイスに本社を置き、世界中で60を超える国と地域で総合人材サービス事業を展開しているアデコグループの日本法人で、企業との強いリレーションをもとに、人材派遣、転職支援、アウトソーシングなど、あらゆる雇用形態の多種多様なお仕事をご紹介している。特に、近年では転職支援を強化しており、業界、職種に精通したコンサルタントやマルチリンガルの担当者を増員し、最適な転職を実現できるようサポートしている。
Webサイト: www.adecco.co.jp
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