スペシャルインタビュー
英語を活かしグローバルに活躍されている方や話題の企業や団体にインタビュー
- 大阪府教育委員会事務局
- 教育振興室高等学校課長
橋本光能先生
TOEFL iBT® テスト等を活用した大阪府立高校の英語教育改革
~「実践的に使える」英語教育への転換~
現在の大阪府の取り組みについてお聞かせください
- 橋本先生:
- 国におかれては、次の学習指導要領の改訂に向けた準備を進める中、平成25年12月に「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を発表されました。この計画では、小学校における英語教育の拡充強化、中・高等学校における英語教育の高度化など、小・中・高等学校を通じて英語教育全体を抜本的に充実させる方向性が示されています。その具体化に向け、現在「英語教育の在り方に関する有識者会議」において専門的な見地から検討が行われています。
大阪府では、人材・技術の国際競争力を高めることを目的として、平成23年3月に「大阪府国際化戦略」を策定し、グローバル人材の育成に取り組んでいるところです。
府教育委員会においては、国の動きを先取りする形で、平成23年度から3年間「使える英語プロジェクト」により、児童・生徒の英語によるコミュニケーション能力の育成に力を入れてきました。
今後の流れはどのようなものになるのでしょうか
- 橋本先生:
- 平成26年度からは、グローバル化に対応した「実践的に使える」英語教育への転換をさらに強力に進めるために、新たに「英語教育推進事業」を立ち上げました。小学校では1年生からフォニックスを用いた指導を導入し、中学校ではエクステンシブ・リーディングを授業に取り入れます。
高等学校においては、「骨太の英語力養成事業」として、府立高校17校を指定し、平成27または28年度からTOEFL iBT® テストをカリキュラムに組み込むとともに、生徒の海外研修等を実施します。これは、高校3年間で英語の4技能(読む・聞く・話す・書く)を英語圏の大学に進学できるレベルにまで引き上げることをめざしており、平成26年度はTOEFL iBTテスト導入に向けたさまざまな準備を行っているところです。
SET、入試改革についてお聞かせください
- 橋本先生:
- この一環として、TOEFL iBTテストを活用した授業等を担当するスーパー・イングリッシュ・ティーチャー(SET)を任用します。SETの選考については平成26年4月に実施し7名が合格されました。9月にも若干名の募集を行う予定です。SETが平成27年度以降、学校に配置され、英語教育改革に力を発揮されることを期待しています。
さらに、府教育委員会が進める英語教育改革の一つに入試改革があります。平成29年度の府立高校の入学者選抜から、TOEFL iBTテストなどの外部検定を入試に活用するとともに、国際関係学科等の英語の入試問題について設問(リード文)をすべて英語にし、リスニング問題の配点の割合を増やすなどの取組みを全国に先駆けて実施します。
大阪府教育委員会は、高等学校の授業にTOEFL iBTテストを取り入れるなど、TOEFL iBTテストを基軸とした英語教育改革を推進し、国内で初めてとなるこれらの事業を契機として、大阪の英語教育をさらに発展させ、グローバル人材の育成を一層進めていきたいと考えています。
- 大阪府教育委員会
- 大阪府教育委員会では、グローバル化が急速に進んでいるにもかかわらず、難関大学に入学・卒業しても世界に通用する英語力が身に付かず、日本の成長を妨げる要因になっているとの懸念から、平成25年に策定された「大阪府教育振興計画」において小学校から高校卒業までの英語教育を抜本的に改善するための各種事業を立ち上げています。小学校初期段階からの英語教育推進事業、府立高校におけるTOEFLテスト活用を盛り込んだ「骨太の英語力養成事業」、「グローバルリーダーズハイスクール」などがそれにあたります。こうした取り組みを通じ、大阪におけるグローバル人材育成への期待はますます高まっています。
上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。