スペシャルインタビュー

英語を活かしグローバルに活躍されている方や話題の企業や団体にインタビュー

カナダ大使館秋山めぐみさん
  • カナダ大使館
  • 広報・教育プロモーション担当官
    秋山めぐみさん

 

“英仏二言語を公用語とした多様な文化が共生する国カナダ”

カナダについて

教育についてお話しする前に、カナダのことを少し紹介させていただければ、教育のことがよく分かると思います。カナダは世界で2番目に広い国で、10の州と3つの準州から成り立つ連邦国家です。国として1971年、世界で初めて多文化政策を取り入れました。よってカナダは、様々な民族が共存しているので、非常に多様性に富んだ多文化国家といえます。カナダの社会はモザイク国家とも表現されることが多いです。公用語は英語とフランス語です。“カナダ留学=英語”だけでなく、フランス語のチョイスもあるので、稀ですが、一度に英語とフランス語留学をされる方もいらっしゃいます!
実は、カナダは、まだ比較的誕生して新しい国で、2017年に連邦成立150周年を迎えます。

www.japan.gc.ca (大使館ウェブサイトもご参照ください)

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カナダの教育制度

連邦国家のカナダの教育は各州と準州が管轄しています。大きな国土を持つカナダは地域ごとの産業や文化の違い等から、それぞれの州にあった教育を提供する必要があり、教育は連邦ではなく各州に任されています。

日本の初等教育に当たるのは、カナダではグレード1~6となります。中学校から高校までがほとんどの州でグレード7~12となります。カリキュラムは柔軟で、高校は大学と同じように選択制です。学業だけではなく、人間性を育てることに重点が置かれていて、学校の成績や高等教育機関への進学は学業成績だけでなく、校内活動やボランティア活動など学業以外の面も考査の対象となります。授業は学生が発言する機会を多くする参加型授業を導入しています。

カナダは世界中からの留学生を多く受け入れていることが大きな特徴の一つとして挙げられます。日本の学生は一時期、内向き志向だと言われていましたが、ここ数年カナダへの留学生数は増加しています。語学留学の連盟にLanguages Canadaがありますが、英語もしくはフランス語をメンバー校で学んだ日本人学生の数は、約2万人で1位のブラジルについで2番目に多い数です。(参照:Languages Canada 2015 Annual Survey Report

また、学生ビザを取得して留学する学生も増えています。2015年12月31日時点では約7千人です。 (参照:4.2. International students with a valid permit on December 31st by top 50 countries of citizenship1, 2005 to 2014.xls Excel形式:50.5KB)

カナダ留学の種類

  • 1)語学留学(英語・フランス語)
    • a.先にあげたLanguages Canadaのメンバー校が連邦各地に200校以上あり、様々なプログラムを提供。
  • 2)正規留学(小中高校・大学・カレッジ)
    • a.小中高校・大学・カレッジで留学生を受け入れ。
    • b.カナダ人学生は9割以上が公立校で学ぶ。公立でも留学生を卒業まで受け入れる制度が整っている。(留学生受け入れプログラムを持つ公立の教育委員会連盟にCAPS-Iがある。
    • c.大学・カレッジは約100校あり、ほぼすべての教育機関が公立(州立)。
      • i.大学・カレッジは4年間でそれぞれ学位(Degree)が取得できる高等教育機関である。
      • ii.大学が学術的な要素が強い教育機関である一方、カレッジは、実学的なものを学び即戦力を身に付けることができる機関として①1~2年で取得可能なCertificateやDiplomaのコース、②4年間で取得する応用学位(Applied Degree)のコース、③大学編入を目指す学生のための編入プログラムを提供している、など様々な目的に対応できる教育機関である。
  • 3)IECワーキング・ホリデー・プログラム
    • a.『留学』とは少し異るが、18歳から30歳までの日本国籍の方が応募可能なプログラムで、カナダに1年間滞在し、観光や就労しながら、滞在期間中6か月までは語学研修ができるので、人気がある。実際ワーキングホリデープログラム参加者の多くが語学研修を受けている。

留学に必要な英語のスコア等

  • 1)語学留学(英語・フランス語)
    • a.特にスコアの提出は必要なく、希望する期間の留学が可能。公立の大学やカレッジ附属の学校の場合は、入学時期や1タームの期間が決まっているところが多いが、私立の英語学校は、2週間から入学を受け付けているところもある。
  • 2)小中高
    • a.公立の学校でも、コンピューターサイエンス、ロボット工学や自動車整備、フランス語、スペイン語、日本語といった様々な語学の授業やダンス・アカデミー、スポーツ・アカデミーといった特別コースを持つ学校も多く、施設は大変整っている。特に英語能力は問われない。
    • b.私立学校は場合によっては英語のスコアやそれ以外の提出書類を要求されることもある。
  • 3)大学・カレッジ(高等教育機関)
    • a.大学:カナダの大学はほぼ全てが州立大学で、高いレベルの教育プログラムを提供しており、連邦全土どこでも押しなべて高い質の教育を受けられるのが特徴。世界的に見てもレベルが高く、英語のスコアは、やや高めを要求される。
    • b.カレッジ:カレッジも公立の州立カレッジでは、英語のスコアを要求されるが、大学よりは比較的低めのスコア。

いずれの場合も、公立の学校は、学費も比較的リーズナブルで、治安も良く、フレンドリーなカナダ人との生活環境は、過ごしやすいものだと思います。

カナダで働く機会

大学やカレッジなどの高等教育機関にフルタイムの学生として在学中に就労できる機会が豊富です。学期中週20時間までは就労可能ですし、休暇中はフルタイムで仕事ができます。また、「インターンシップ」や「Co-opプログラム」は、多文化社会での就労経験を積める良い機会ではないでしょうか。また、卒業後は、卒業後就労許可申請ができ、オープンワークパーミットで最長3年、カナダでの就労が可能になります。

カナダ大使館の留学関連サービス

カナダ大使館では、大使館を会場としてあらゆる分野で数多くのイベントを開催しています。そのうち、教育に関しては、大使館主催で年2回春と秋に、カナダへの留学を希望する人たちのための「カナダ留学フェア」を実施。例年、東京会場は2日間を通して約2,000名の来場者があります。秋のフェアも11月に東京と大阪で開催(カナダ留学フェアの特設サイトもあり)。留学に必要なTOEFL®テストについても、毎回のフェアにてCIEEの方にブース参加のご協力をいただき、個別のご相談にも応じていただいています。ブースの他、セミナーでも概要をご説明いただいています。

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▲カナダ留学フェア特設サイト

その他にも情報を提供する機会を多く設けています。大使館内に併設のE.H.ノーマン図書館の留学資料コーナーでは留学資料のほか、大学やカレッジ、教育委員会などのパンフレットも用意しています。E.H.ノーマンは日本生まれの外交官で、日加の架け橋となった人物です。図書館では、不定期ですが留学説明会も実施しており、詳細はウェブで紹介しているので、ご参照ください。 (カナダ留学説明会(予約制

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また、大使館見学ツアーも行っており、毎年多くの学生が参加しています。その他にも大使館スタッフが全国の小・中・高校や大学に出向いて出前授業を行い、カナダの歴史や文化、教育などについて講義するプログラムも行っています。日本語もしくは英語で講義していますが、ご希望があればフランス語でも可能です。

大使館の留学情報は、FacebookTwitterでも発信しているので、大使館まではなかなか行く機会が持てないという場合でも、それぞれのサイトで最新情報の収集が可能です。  

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ITの普及や旅行も昔と比べると比較的簡単にできるようになり、世界が身近になりましたが、グローバル人材とは、異なる文化や価値観を持つ世界中の人たちと一緒に活動できる人ではないかと、個人的に考えています。多文化政策を推進しているカナダでは、毎年20万人の移民を受け入れており、このような多文化が共生する社会に、世界中から多くの留学生も学びに来ています。このような環境なので、カナダ国内にいるだけでも十分にグローバルな感覚が養えると思います。カナダの若者がさらに国際的視野を養うためにも、カナダ政府も海外留学を促進し、また、積極的に留学生の受け入れを行っています。日本も留学生倍増計画がありますので、両国共にグローバル人材として、それぞれとの交流がますます盛んになれば嬉しいです。カナダ英語は、クリアでくせのない英語と言われていますし、治安も良く、物価も安定している上に、公立校に通えるメリットとして、リーズナブルな学費が挙げられます。最近は、日本の高校や大学でもカナダとの姉妹校交流や提携をするところが増えてきており、日本全体でも、更に活発なカナダとの交流を期待しています。まずは、秋の留学フェアで多くの皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

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▲カナダ留学フェア

  • カナダ大使館広報部
  • 広報部では、春と秋の年2回の留学フェアや、図書館での留学説明会の実施のほか、カナダ留学・研修に関する情報提供や、日加の教育機関の学術連携、研修先・派遣先等のパートナー探しのお手伝いをしています。大使館内の図書館は、平日に一般へ開館しており、書籍の貸し出しも行っています。留学情報コーナーもあり、どなたでもご利用いただけます。

 

 

上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。