留学経験者インタビュー

留学して何を得て、何が変わった?留学経験者にインタビュー

留学経験者インタビュー
  • 池田直史さん
  • アメリカ/コロンビア大学院留学

 

“留学は自分の夢を具現化していくための重要なチャレンジ”

なぜ留学し、コロンビア大学院を選びましたか

大学院留学前、日本で報道関係の仕事に就いていましたが、海外での国際協力、特に難民の支援や保護の分野での仕事にキャリアを変えたいと考え、留学を決意しました。

留学先の選定では、難民問題などの国際関係を学べる大学院をいくつか受験し、そのうちニューヨークにあるコロンビア大学の国際公共政策大学院(SIPA)を選びました。

その理由として、ただ難民問題を学ぶだけでなく、教授陣にも国際関係の仕事で活躍する人がおり、直接学べることと、国連本部の所在するニューヨークでは課外でも国連機関やNGOなど様々な学びの場があると考えたからです。

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なぜその国を選びましたか、理由を教えてください

大学時代に1年間英国の大学に留学していましたが、まだ米国で学んだことがなく、国際関係で大きな役割を占める米国の中で一度学んでみたいという思いがありました。

また、米国の場合、大学院は通常2年間なので、その1年目と2年目の間の長い夏休みの期間中、志望する国連機関でのインターンシップを行いたいという希望がありました。

実際に、3か月半にわたりイエメンのUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)でインターンシップを行いました。

TOEFLテストのスコアは何点以上必要でしたか、またスコアアップのためどのような勉強をしましたか、TOEFLテスト受験は、現在の実生活において活きていますか

留学を検討していた大学院で求められるTOEFL® テストスコアは、TOEFL iBT® テストで最低100点という基準が多かったと思います。ただし、100点あっても英語がネイティブでない留学生には、大学院が始まる前に大学の語学センターで1か月間語学研修を提供してくれ、スムーズに大学院生活に入れました。スコアアップのために、多少TOEFLテスト受験の予備校のクラスも取りましたが、基本は独学で、TOEFLテストの参考書や特にEducational Testing Service(ETS)が提供している「TOEFL iBT® テスト Complete Practice Test」は実際の試験と同じような問題で練習でき、役に立ちました。TOEFL テストは、基本的に大学生活を意識した内容で作られているので、特に大学院生活においては、英語の速さや量など参考になる部分もありました。

留学中のエピソードを教えてください

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コロンビア大学院では授業で積極的に議論をするほかに、何人かの生徒がチームのようになってリサーチを進めるグループワークが多くありました。

特に2年目には、実際に4、5人で1つのグループになって世界各地の援助関係の事業をリサーチし、評価するという授業に参加しました。私のグループは、エジプトの団体が行っていたスポーツを通してストリート・チルドレンや少女をエンパワーメントする事業を実際にエジプトまで行き、1週間ほどフィールドリサーチを行い、100ページ近い評価書にまとめました。

この授業では、実際に行われている海外での援助事業を調査・評価する機会に恵まれ、また米国人をはじめ様々な国籍のクラスメートと協力して一つの評価書をまとめました。

大学時代に1年間英国に留学していたとは言え、大学院留学前は米国人や様々な国からの留学生と積極的に英語で議論したりすることに少し不安もありましたが、こうした授業を通じてそうした不安もなくなり、自信を持って対等に積極的に議論しつつ、協力して一つのプロジェクトを進めていくことがごく自然なこととなり、今は国連職員としてまさにそうした多国籍な仲間と日々話し合いながら仕事を進めています。

また、私の留学中の2008年に米国大統領選挙があり、初めてのアフリカ系大統領となるオバマ大統領が選出されました。当時の米国は、イラク戦争によって国内にも閉塞感が高まっていて、新しい変化を求める人たちが、当時のオバマ氏の選挙運動を積極的に支援し、オバマ氏の当確が出た際には、隣のビルからも歓声が沸きあがるのが聞こえ、通りでも車のクラクションを鳴らして、喜ぶ人たちがいました。

もちろん、その後のオバマ政権への評価は色々あると思いますが、そうした米国民主主義による大きな変化を肌で感じ、立ち会えたのは貴重な経験だったと思います。

留学したことでどんな影響がありましたか(留学で得たもの)

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留学前は漠然とした希望のようなものが徐々に具現化していき、自分が海外のグローバルな現場でもやっていけるという大きな自信がついたことが一番得たものだったと思います。

実際に、留学中の授業で米国人や各国からの留学生と英語で議論したり、グループワークをしたりする中で、言葉や文化が違う面もあるにも関わらず、日本と変わらずやっていけるという実感が持てました。

また、大学院2年目には、前年に自分も受講した大学院1年生の国際経済学のプログラム・アシスタントをさせていただく機会にも恵まれ、2年目の授業料が半額免除されただけではなく、自分が多少なりとも下級生に教える立場になるという経験もでき、自信につながりました。

更に大学院1年目が終わった後の3か月半ほどの夏休み期間中に、イエメンの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)でインターンシップができたのは、留学中に得た最も貴重な体験でした。

実際の業務を通じて、大学院で学んだものがどのように役立つのか、2年目以降何を学ぶべきか具体的に考えられるようになり、何より将来UNHCRで実際に勤務することを具体的に考えられるようになりました。

今後の展望(ご自身の夢等)についてお聞かせください

現在は、外務省が若手国連職員養成のため原則2年間の任期で国連職員として派遣するジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO:詳しくは外務省国際機関人事センターのJPO派遣制度を参照。http://www.mofa-irc.go.jp/jpo/)として、トルコのUNHCRアンカラ事務所で難民認定審査の業務にあたっています。

このJPO派遣制度は、多くの日本人国連職員の先輩方も経験された国連職員への登竜門といった制度です。

また、私はJPOになる前にも、国連ボランティア(UNV)として1年8か月間、UNHCR南スーダン事務所で勤務していました。大学院留学時代から志していた難民の支援と保護の現場で、JPO派遣終了後も引き続き勤務し、活躍していけることを目標に頑張っています。

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これから留学を考えている人へのメッセージをお願いします

やはり、留学は自分の夢を具現化していくための重要なチャレンジだと思います。特に、それが海外でのグローバルな仕事の場合は、留学は欠かせないステップの一つだと感じました。

もちろん、ただ留学するのではなく、しっかりとまずは具体的な目標を作って、それに向けて日本でTOEFLテストも含めてしっかり準備し大学や大学院、それに専門の学校などに入り、また留学中も目標に向かって努力を続けてください。

そうすれば、自然と自分は海外でもやっていけるんだという自信がつき、海外でも日本と変わらないように活躍できると思います。今、なんとなく日本で思い描いている将来の夢や希望を実現するためにも、一歩踏み出して留学に是非チャレンジしてみてください。

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