“目的意識を持って留学をすることが自分にしかできない留学を作り出し、それが最終的に留学の個性に繋がる”
私の通う郁文館グローバル高等学校では、約1年間に渡る留学プログラムが用意されており、その一環として留学をしました。将来は海外で働いてみたいという憧れから留学に興味を持ち始め、そのためには英語を話せる必要があると考え留学という選択をしました。留学先が決まり自分で色々調べていく中で、現地の生活や異国で住む人々の文化などにも興味を持ち始め、最終的には英語学習かつ新たな文化を経験するという目的を持ち留学をしました。確かに約1年間という期間で見れば長く、最初の頃は多くの不安を抱えていました。しかし、自分自身が一度選択した決断を信じることができ、今では留学に行って本当に良かったと思っています。
私はニュージーランド(以下、NZ)にある、Palmerston North Boys' High School(以下、PNBHS)という学校を選びました。NZは多くの留学生に人気の国で、様々な面(生活・勉学・文化・安全・環境など)において魅力的だったので選びました。私は英語圏の国に行ったことが一度もなかったので最初は悩みましたが、多くの人に相談することで決断することができました。まずは色々調べて、その上で自分が挑戦したいことができる環境を見つけることが一番良いと思います。留学先の高校は、NZの中でも歴史のある学校を選びました。また、文武共に優秀で、異なる環境の中で何が一番自分を成長させてくれるのかを考えた際にPNBHS がピッタリでした。高校がある地域なども選択肢の中には含んだ方が良く、自分が勉強に集中したいのか、スポーツをしたいのか、それとも色々なアクティビティに参加したいのかなどを考慮した上で最終決断をするのがおすすめです。
私は高校留学だったので留学に必要な英語資格試験のスコアはありませんでした。しかし、やはり留学となれば異なる国で生活するので、ある程度の英語力は必要だと思います。実際に私も日本で英語学習に取り組み、自身の語学力を成長させたからこそ留学に現地の生活に早く溶け込むことができました。勉強方法としては、まずは授業を通して基本的な文法を身に着けました。
時々、英語を話せるようになる上で文法はあまり重要でないと聞きますが、私は文法が一番大事だと思います。ネイティブではない人だからこそ文法には人一倍力を注ぎこんで、自然と頭の中で英語文ができる状態を目指しました。また、リスニングも意識して練習することが非常に大事だと思います。留学してリスニングができないと何も始まりませんし、またリスニングさえできれば何とかやっていけると思いますので、日本での勉強はとにかく耳を慣らすことが重要だと思います。
またTOEFL iBT® テストは大学受験のために利用し、スコアは86でした。勉強方法に関しては、TOEFL iBTテストは他の英語資格試験に比べて使用される単語の難易度が高いと感じましたので、まずは単語の勉強から始めました。ある程度慣れたら参考書を用いた実践問題の取り組みへ移りました。私は4技能ごとに異なる参考書を本屋で買い、[問題を解く]→[答え合わせ]→[解説の流れ]で進めました。時には学校にいるネイティブの先生と話す機会を設けることで自然なスピーキングの練習を意識的に取り組みました。
多くの日本の大学が入試で英語資格を利用している中で、TOEFL iBTテストの活用価値は非常に高くなっていると感じます。特に私はAO・推薦で受験したため、TOEFL iBTテストの点数は非常に大きなアドバンテージになったと思います。
留学中に滞在していたホームステイの近くに大きな公園がありました。私はもともとサッカーが好きで時々その公園でボールを蹴ることが休暇の過ごし方の一つでした。ある日、私がサッカーをしようと公園に行くと、そこには多くの人がいてサッカーの試合をしていました。英語が話せずどうしようか迷っていた時に、一人が私に一緒にやらないかと声をかけてくれました。そして一緒にサッカーをすることができ、毎週日曜日に彼らとサッカーをすることが私の楽しみの一つにもなりました。私がこの経験から得たのはサッカーをする機会だけではありませんでした。彼らは様々な人種で構成されていて、多国籍の人々と異文化交流をする機会でもありました。日本にいると異なる人種や宗教、また性格(価値観)を持つ人々とスポーツをする機会はなかなか訪れません。しかし、NZや多国籍国家と呼ばれる国への留学は、普段の生活から異文化交流に恵まれた毎日を送ることができます。
私は約1年間に渡る留学を通して自立することができたと考えます。私の留学ではスマートフォンを持って行かずに、日本にいる人との連絡手段は手紙を通してだけにするなど、なるべく孤独な状況で挑戦することを決意しました。確かに初めは多くの困難に直面しました。知り合いもおらず言語も通じず、何度も挫けそうになる時がありました。しかし、自分が一度決めた留学であり、実際に自分から何かに挑戦しなければ何も生まれない環境に身を置くことができたからこそ、最終的に自立をすることができました。日本の恵まれた環境では気づかない、気づくことが難しいことは多くあります。例えば、普段の会話や生活そのもの、家事やお金の用途など、自分じゃなくても誰かがやってくれることは確かに存在します。しかし、留学中は全て自分でやることが求められ、その上で自らの留学をデザインする必要性があります。私はそんな留学を通してようやく自立を獲得することができました。
私は来年の春から日本国内の大学に進学し日本と国際社会の関係性について学びます。留学経験を通して海外に対する興味が明確になり、同時に日本について考える機会にも出会いました。そこで、私はこれからの日本をどうやって世界に発信していき、また正解のない現代国際社会の中で日本がどうあるべきなのかを学びたいと思いました。従って大学在学中には多角的に日本と国際社会の両方を捉えることができる視点を培っていきたいです。同時に、今回の留学で海外を非常に身近に感じるようになりました。これから海外インターンなどを通して、自分が将来どのような形で社会に貢献できるのかを探り、自身のスキルを磨いていきたいと思います。
まずは留学という選択肢を考えている時点で素晴らしいことだと思いますし、ぜひ多くの人に留学という自らの可能性を広げてくれる貴重な経験をしてほしいと思います。私は留学をする上で一番大切なことは、その留学を通して自分がどう成長したいのか、また何を得たいのかを明確にすることだと思っております。今の時代において留学はより一般的になり、語学留学などでは個性が薄れてしまいます。目的意識を持って留学をすることが自分にしかできない留学を作り出し、それが最終的に留学の個性に繋がると思います。従って、これから留学を考えている人は、その留学を通した目的を持つことからまず始めてみてください。そうすると単なる海外留学ではなく、自分自身を大きく成長させてくれる機会になり、より楽しい留学になると思います。