“英語学習は、私の思い描くキャリアを築く“ステッピングストーン””
私は神奈川県で生まれ韓国のソウルで育ちました。学部入学と同時に日本に帰国し筑波大学で物理学を学びました。小さい頃から海の向こうで学んでいたため、言語学習については興味を持っていました。モチベーションは、「短い人生、たった一つの国で終わらすには儚くもったいない!楽しまきゃ損損!」でした。そして韓国語を学ぶことで友達が2倍に増え、その分2倍人生を楽しめているのではないかと思い、様々な言語学習に力を入れはじめました。今までに8カ国言語の勉強をし資格を取得しました。英語はその中でも中枢と言えるほど重要で人生の選択をする度々の局面でkeyとなる言語でした。
留学に選んだのは中国の上海でした。英語圏ではないけれども、英語をメインに展開するカリキュラムだったためTOEFL®テストのスコアが必要でした。中国にした理由は、中国では様々な奨学金プログラムが用意されていて、特に上海外国語大学では外国人留学生にはとても優しい処遇をしていたことが決め手でした。中国語ではなく英語で留学の可否が決まることに加え、どうせ留学するなら英語とプラスアルファで学べる環境がいいと思い、中国留学を決意しました。ちなみに学んだ学問は、遠隔地でも語学を学べるオンライン教材やe-Learningなどを開発する教育工学です。
留学前は未受験でした。留学開始時にはスコアが必要なかったのですが、受入大学で修了証を取得するためにはTOEFL iBT®テスト65点が必要でした。また、留学終了後に入学したいと思っていた京都大学大学院でもグローバル教育を推進していて半数の留学生と、英語の授業、英語のディスカッションやプレゼンテーションをすることが求められていたためTOEFL iBTテスト80点が出願要件となっていました。そのため、TOEFL iBTテストの学習に全力を注ぎました。留学中の授業ではディスカッションやプレゼンテーションの課題が多かったため、スピーキングを中心に伸ばすよう意識しました。特に、説得力とインパクトのある言い回しや語彙を積極的に増やすことで、ライティング対策にもなりました。
前述の通り、留学中はスピーキングを重点的に行いました。非ネイティブ圏の学生とディスカッションやプレゼンテーションを行う上で、発言力の低い日本人が置いていかれないように存在感を主張するには、説得力のある話し方や人を惹きつけておくトークをすることは必要不可欠でした。そう意識する中で、スピーキングを伸ばすことが、他の技術(リーディング・リスニング・ライティング)も伸ばしてくれるのではないかと思いました。もちろん闇雲に喋っていれば自然と聞き取りや読み書きが流暢になるわけではありません。しかし、会話の途中で、私の話が相手に伝わっているという自信がつき、留学中の英語学習をはじめ勉学を続けるモチベーションになりました。
英語圏に留学すればネイティブの自然な正しい英語に触れながら英語学習ができると思います。それが最も効率的な学習だと思います。しかし、全世界の英語ネイティブ話者は多く見積もっても十数%しかおらず、また経済的な理由で英語圏に留学できないなど事情も人それぞれあるかと思います。非ネイティブ圏であっても、英語を学べる機会があります。文法通りに正しく話すことが絶対的な正義かというとそうではなく、英語というのは“コミュニケーションツール“の一つです。非ネイティブ圏同士で英語を話すことで、もっと効率的な言い回しは何か、勘違いさせるような表現をしていないか、相手の文化圏に立った場合失礼ではないか、などを考えさせられる機会となりました。英語学習を通して付随的に、異文化理解や一つのコミュニケーション方法などを学ぶ機会になったことは、留学の二次的な産物と言えます。
上海外国語大学のプログラムを修了後、京都大学大学院に進学しました。また最近はTOEFL iBTテスト95点を超え、オーストラリアの研究機関で研究員として就労できるオファーを手に入れました。上海でも京都でも豪州でも、TOEFL iBTテストのスコアが左右していましたので、私にとってTOEFLテストは人生の方向性を定めるのに重要なテストと言っても過言ではありません。TOEFLテストは、英語ができるできないを測定するだけでなく、このスコアというプラチナチケットを持っていることで開かれる選択肢があるのだなと常々思いました。そうして、人生の選択肢を並べる上で、英語はキャリアを築くためのステッピングストーンとなりました。
英語を含め8カ国語の言語を学んできました。言語を学ぶ上での一番大切なことは、常日頃から「言語学習のモチベーションをいかに高く保つか」がキーポイントだと思います。言語は、楽器と同じでブランクが少しでも空いてしまえばそれを取り戻すためにまた学習時間を設けなくてはなりません。どんなに忙しかったとしても、どんなに気持ちが沈んでいても、気分じゃなくても、電車でも、どこにいても、睡魔に襲われても(熱を出したとき以外は)言語学習は少しずつでも維持し続けることが大事です。留学を始める前と終えた後で、選べる選択肢の数は格段に増えているはずです。