For Lifelong English

  • 鈴木佑治先生
  • 慶應義塾大学名誉教授
    Yuji Suzuki, Ph.D.
    Professor Emeritus, Keio University

第116回 情報化時代で増えるAbbreviations(略語)・Acronyms , Clippings, and Blends

インターネットの普及で情報化が進むにつれ、迅速で効率が良い情報交換が求められるようになってきました。言語においては、近年abbreviations(略語)が激増していますが、そうした背景があるのでしょう。例えば、日本語にもすっかり定着した"laser"(レイザー)、実は、abbreviationなのです。元の"light wave amplification by stimulated emission of radiation"というやや長たらしい名称の頭文字を取った略語です。解りやすいですが元のままでは迅速な情報交換に支障ありと判断されて略されたのでしょう。

最初に"abbreviations"とは何か、R. Quirkほか著のA Comprehensive Grammar of the English Language(1985, Randolph Quirk et al., Longman Group Limited, 1779 pp.)の"Abbreviations"の項目を基に纏めます。それによると、abbreviationsは語形成(word formation)の一種で、(1)Clippings(2)Acronyms(3)Blendsの3種類に分けられます。(*1)以下詳細を引用します。

(1)Clippings インフォーマル英語特有。複数シラブルの語(特に名詞)を1、2のシラブルに短縮したもの。最初のシラブルを残したものが多いが、例外もある。例:ad(advertisement), demo(demonstration), exam(examination), French fries(French fried potatoes), gents (gentlemen’s), lab(laboratory), lib (liberation), memo(memorandum), mike (microphone), photo(photography), prof (professor), pub(public house), stereo(stereophonic), phone(telephone), plane(airplane), flu(influenza)

(2)Acronyms 主として複数の語で構成される名称の各語の頭文字で作られるもの。科学用語や行政用語や様々な機関名を中心に夥しい数が作られている。主として次の[A][B]2種類ある。

[A]各語の頭文字を取り出したアルファベットの羅列をそのまま発音し、(*2)"alphabetism"と称されるもの。尚、C.O.D.のようにperiodsを付けるケースと、FBIなど機関名として定着したものにはperiodsを付けないケースがある。また、大文字、小文字のどちらを使用するかは、固有名詞、普通名詞、いかんに関わらない。次の[i][ii]の2種類がある。
[i]構成する複数語の頭文字で成るもの。例:c/o(care of),C.O.D.(cash on delivery), DIY(do-it-yourself), eg(exempli gratia meaning “for example” in Latin), ESP(extra-sensory-perception), FBI(Federal Bureau of Investigation), i.e.(id est meaning “that is” in Latin), MIT(Massachusetts Institute of Technology),UFO (unidentified flying object)(*3), UN(the United Nations),VIP(very important person)(*4)
[ii]構成する語の一部を取ったもの。例:GHQ(General Headquarters), TB(tuberculosis), TV(television)

[B]一語として発音されるもの。acronymsと気付かないケースもある。例:laser(light amplification by stimulated emission of radiation), NATO(the North Atlantic Treaty Organization = pronounced /neitou/), radar(radio detecting and ranging), UNESCO (the United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization= pronounced /yunesko/(*5)), WASP(White Anglo-Saxon Protestant=Used only informally in American English = pronounced /wasp/)

(3)Blends 2つ以上の語からなる混合語を一つにブレンドさせたもの。例えば、motel(motor hotel)やbrunch(breakfast lunch)など。ブレンドされた語の語尾は意味的ベースで、語頭の部分はどのようなものかを特定する、例えば、brunchではlunchがメインで、breakfastはどのようなlunchかを特定する、すなわち、遅らせたbreakfastを兼ねたlunchということになる。その逆なら*lunchfastになっていただろう。この新造語プロセス(coinages)は、特にビジネス界をはじめ、非常にproductiveである。その特徴は、大胆かつ遊び心に富み、流行とともに無数に作られるが、過度にjargon化し批判を受けるケースが多い。概して短命で長期に残る例は上記2例やcheeseburgerなどは希少な例。例:breathalyzer (breath analyzer), Eurovision(European + television), heliport (helicopter + airport), newscast(news + broadcast), paratroops(parachute + troops), smog(smoke + fog), stagflation(stagnation + inflation), telecast(television + broadcast), travelogue(travel + catalogue)

− 以上、A Comprehensive Grammar of the English Language "Abbreviations" pp. 1580-1585から抜粋。(筆者翻訳)

Quirkらの上記文法書は、1972年に出版されたA Grammar of Contemporary English(*6)の改訂版として1985年に出版されました。現代英語(イギリスおよびアメリカ)の膨大なデータ集(corpus)を基に分析したものです。但し、データは1985年以前のものに限られますから、それ以後に訪れるインターネット時代の英語は含まれていません。(*7)

A Comprehensive Grammar of the English Language
▲ A Comprehensive Grammar of the English Language

A Corpus of English Conversation
▲ A Corpus of English Conversation

冒頭述べたように、インターネットの普及で情報化が進み、迅速かつ効率の良い情報交換が求められabbreviationsが増えつつあります。とりわけ、メガ言語化した英語においてはその傾向が強いと見え、インターネットで"abbreviations"と入力してみると、本稿執筆中の2018年2月9日現在で5,700万以上ものヒット数がありました。インターネット時代の英語におけるabbreviationsのバイタリティ(vitality)(*8)の高さが伺い知れます。関連サイトの中から、多くの領域を網羅し、かつ見易そうと思えるサイトをピックアップしてみました。(*9)読者も開いてみてください。

“Abbreviation.com” https://www.abbreviations.com

その冒頭にある"Welcome to Abbreviations.com"の文言によると、このサイトは、インターネット上に飛び交うabbreviations, acronyms, initialismsのsearch engines & dictionaryとして最も規模が大きいと述べています。世界中の人々に呼びかけてabbreviations, acronyms, initialismsを上げてもらっているようです。下記の"passionate editors"をクリックすると、その中でも数多くの例を提供している人が紹介されています。面白い企画ですね。

Welcome to Abbreviations.com
We are the world's largest and most comprehensive directory and search engine for acronyms, abbreviations and initialisms on the Internet. Abbreviations.com holds hundreds of thousands of entries organized by a large variety of categories from computing and the Web to governmental, medicine and business and it is maintained and expanded by a large community of passionate editors. Read more about our awards and press coverage.

サイトは"Academic & Science" "Business & Finance" "Community" "Computing" "Governmental" "Internet" "Miscellaneous" "Medical" "Regional" "International"の大きな10項目に分け、更にそれぞれを複数のサブ項目に分け、インターネット上で刻々と集められる膨大な数のabbreviationsを分類しています。以下、サイトをそのまま引用しますので、読者は関心あるカテゴリーをクリックして見てください。

Academic & Science
AmateurRadio, Architecture, Biology, Chemistry, Degrees, Electronics, Geology, IEEE, Mathematics, Mechanics, Meteorology, Ocean Science, Physics, Universities »

Business & Finance
Accounting, Firms, International Business, Mortgage, NASDAQ Symbols, NYSE Symbols, Occupations & Positions, Professional Organizations, Stock Exchange, Tax »

Community
Conferences, Educational, Famous, Film Censorship, Genealogy, Housing, Law, Media, Museums, Music, Non-Profit Organizations, Religion, Schools, Sports, Unions »

Computing
Assembly, Databases, DOS Commands, Drivers, File Extensions, General, Hardware, Java, Networking, Security, Software, Telecom, Texting, Unix Commands »

Governmental
FBI, FDA, Military, NASA, Police, State & Local, Suppliers, Transportation, UN, US Gov. »

Internet
ASCII, Blogs, Chat, Domain Names, Emoticons, HTTP, MIME, Twitter, Wannas, Websites »

Miscellaneous
Chess, Clothes, Coins, Construction, Days, Farming, Food, Funnies, Gaming, Hobbies, Months, Photography, Plastics, Sci-Fi, Unit Measures, Journal Abbreviations »

Regional
Airport Codes, African, Alaska, Australian, Canadian, Cities, Countries, Currencies, European, Language Codes, Railroads, Tel. Country Codes, Time Zones, US States. »

Medical
British Medicine, Dental, Drugs, Hospitals, Human Genome, Laboratory, Medical Physics, Neurology, Nursing, Oncology, Physiology, Prescription, Veterinary. »

International
Arabic, Dutch, German, Greek, Guatemalan, French, Hebrew, Indonesian, Italian, Latin, Mexican, Polish, Romanian, Russian, Spanish, Tamil, Thai, Turkish. »

- 以上“Abbreviations.com”(https://www.abbreviations.com)の引用。

最初の“Academic & Science”の項目を開き、幾つかの項目を簡単にチェックしてみました。リストされている例の数があまりにも多くて全部チェックできませんが、Quirkらが言うacronymsの[A]タイプalphabetismの[i]に分類されるinitialismが圧倒的に多そうです。

他のカテゴリーではどうでしょうか。残念なことには"International"の項目で、先進国Japanからのこのサイトへの発信が無いのか、"Japanese"というサブ項目がありません。私的な一サイトで気にすることは無い、と言ってしまえばそれまでですが、先進国でありながら日本は英語発信力にやや欠けているのではないかとの懸念は残ります。少なくとも"Miscellaneous"の項目に日本のポップカルチャーを代表する"Manga"とか"Animation"のサブ項目を設けさせたいですね。(*10)

それはともかく、現在インターネット上ではどのようなabbreviationsが飛び交っているのか気になるところです。"Internet"の項目にリストされているabbreviationsを覗いてみましょう。サブ項目の"Blogs" "Chat" "Domain Names" "Emoticons" "Twitter" "Websites"などは、現在の日常コミュニケーションに浸透していますが、Quirkらが上記の文法書を執筆した当時には存在しなかった項目です。しかも始まったばかりで、これからもグローバル規模、爆発的に増え続ける予感がします。

特に"Domain Names"のサブ項目ですが、その"Acronyms&Abbreviations"には、本稿執筆中の2018年2月19日現在で178件しかリストされていませんが、実際にはそれでは収まらない数があるであろうことは容易に推定できます。今後もネット社会が続く限り増え続けるでしょう。同じことは上記の表中の"HTTP"や"MIME"の両サブ項目(*11)についても言えそうです。

インターネットがもたらしたグローバル規模の情報化は、明らかに、グローバル英語に大きな変化をもたらしています。これらのサブ項目のabbreviationsの量の増大に伴う質的かつ機能的変化もその一つです。Quirkらが上記の文法書を書いた時は、明らかに語形成(word formation)上、すなわち、形態論的には、abbreviationsはそれ程の例もなく、この膨大な文法書の最後のAppendixの一部を割いて書く程度でした。(*12)

とりわけ目立つのは、Quirkらの分析では[A][i]typeの内の"DIY"に代表されるacronymsの大量発生です。ちなみに、"DIY"の元は"Do it yourself."という文のacronymですが、その派生過程を辿ると、先ずはハイフォンで繋いで"Do-it-yourself"にして一種の複合名詞(a compound noun)に、更に"DIY"というacronym、すなわち、単純名詞(a simple noun)に削ぎ落としたものです。文→複合名詞→単純名詞という派生過程(derivation process)を経ています。

特に"Chat"のサブ項目に集めらた"DIY"型acronymsに注目です。速記では話す速度に追いつくために簡素化された略字表記が使われますが、キーボードを叩きながら会話するのですから、abbreviationsが多投されるのは自然の成り行きです。Chatをクリックすると、最初のページにある"Let’s meet in real life."を略した"(L)MIRL"とか、"Out of here" を略した"OOH"など、文や句をそのままacronym化したものが多々あります。同じように文から派生した"DIY"は機能的には抽象名詞ですが、これらは、元の文や句そのままの文法的機能を保持しています。すなわち、前者は文としての機能、後者は場所を表す副詞的機能を保持しているのです。

スピードを求められる"Chat"に特に多そうですが、"Blog" "Twitter" "Websites"のサブ項目にも似たような例が並んでいます。全部細かくチェックできませんでしたが、以下の2つのサイトに列記されているacronymsがそれらを代表しているものと思います。開けてみましょう。

(4)“Common Acronyms-Abbreviations and Acronyms- YourDictionary

"50 Popular Internet Acronyms" In "What is the difference between Abbreviations and Acronyms?"

更に、これらインターネット上のアプリケーションで展開されるacronymsが、文字表記のみならず数字や絵文字や絵で表記されるケースも爆発的に増えていることは興味深いですね。こうした現象を理解するには、言語学、記号論、media論、社会学、文化論、心理学、認知論、AI、脳神経学等々のコラボレーションが必要になるでしょう。Multimedia機器は、かくしてacronymsの世界には多量の"Emoticons"(Emoticons)のサブ項目にリストされているemoticonsが参入しました。これもQuirkらの文法書は触れていません。

こうした非言語記号のacronymsは、言語記号のacronymsと質的、機能的にどう違うのでしょうか。インターネットが普及する前から、1960年代後半には若者の間でピースマークのロゴやニコニコ・マークのロゴなどがありました。世界中の若者文化の中でミーム(memes)として、お互いの仲間意識を高める為に爆発的に伝播していきました。これらのサブ項目に派生した言語と非言語のacronymsは、インターネット普及以前のそうしたacronymsを引き継いだものでしょうか、あるいは全く別物なのでしょうか。

余談ですが、この私的サイトは一応世界中にオープンされ書き込み自由のはずです。しかし、"Emoticons"の項目に、日本の若者の間でミーム的に広がり愛用されている、量質ともにリッチで想像力豊かな絵文字がリストされていません。日本のポップ・カルチャーは世界的な人気を持ち、相当数のそれに関連するemoticonsが普及しているはずです。

さて、今回は、Quirkらのabbreviationsの3つのカテゴリーの内(1)Acronyms以外の残りの2つのカテゴリー(2)Clippingsと(3)Blendsについてあまり言及できませんでした。前者のclippingsは語句を切るだけですので比較的簡単に作れますが、blendsは意味論的ブレンドと語呂合わせが必要で簡単に作れません。多分clippingsはそこそこ増えても、手間の掛かるblendsはそれほど増えないと予測します。

但し、それは英語の場合に限って言えることかもしれません。漢字と仮名表記の日本語では状況が違うでしょう。漢字の音読みとカナはそれぞれ1音節の独立ユニットです。ラテン語のモーラに近く、それぞれがかなり音韻的にも視覚的にも確立しています。英語のabbreviationsの基本となるシラブルはそれに比べると不安定です。しかも日本語では古くから4文字熟語が根付いており、日本語話者はその旋律に沿ってclippingsとblendsを作ることに長けています。

多くのテレビ番組などや人気グループ名がこうして簡略化されていますね。例えば、筆者が最近耳にしただけでも「リハーサル」→「リハ」、「ヤフーオークション」→「ヤフオク」、「花より男子」(コミック)→「花男(ハナダン)」等々枚挙にいとまがありません。最後の例はclipping + blendということでしょうか。日本の若者は、acronymsのみならずclippingsとblendsを生成し、同じ文化を共有する仲間の間でミームとして伝播させ、仲間意識を高めています。それが今や世界中に広まりつつあります。

英語の世界、否、言語の世界は変化し続けています。実際に使わなければそれについて行けません。英語も含め、日本語も他の言語も、言語は教室やテキストの中にあるのではなく広大な外にあることが分かると思います。使える言語は参加して使い続けなければ身につきません。今回のabbreviationsという現象を通しても、実際にabbreviationsを理解し使えなければ日常のコミュニケーションに付いていけないということを感じるはずです。それは街の会話から高度の専門領域の意見交換においても同じです。いずれのレベルにおいても多くのabbreviationsが生成され続けています。

(2018年2月20日記)

 

 

(*1)“Abbreviations”in A Comprehensive Grammar of the English Language(1985, Randolph Quirk, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, Jan Svartvik, Longman)pp. 1580~1585.
(*2)頭文字のみで構成されているので”initialism”とも称されます。下記のインターネットのサイトでもこの名称がよく使われています。Quirkらの[A]項目の分析では、“TV”(=[A][ii])のように必ずしも頭文字のみではないこと、[A]項目にリストされているのは全てアルファベット読みするので"alphabetism"という名称を選んだのでしょう。
(*3)ピンクレディーの名曲「UFO」でお馴染みの“UFO”は、日本語では/yu:fou/と発音されますが、アメリカ英語では/yu:efou/と発音されます(Webster’s Third International Dictionary参照)。一方でイギリス英語では両方の読み方があります(Longman, Dictionary of Contemporary English参照)。日本語の場合はQuirkらの[B]項目に、アメリカ英語の場合は[A]項目に、イギリス英語の場合は [A]と[B]の両カテゴリーに属することになります。
(*4)日本では“VIP”を一語として/vip/と発音する場合がありますが、アメリカでは/vi:aipi:/とアルファベット読みです。
(*5) UNESCOの最初のUの発音は“united”や“union”などのuの発音と同じです。一語として[B]に分類しています。[A]と[B]の混合のようなケースもありそうです。日本の例ですが、“Yokohama City Air Terminal” はYCATのacronymで親しまれていますが、Yのみアルファベット読みですが、残りのCATはcatと同じ発音です。Global Englishのacronymsには色々ありそうです。
(*6)A Grammar of Contemporary English(1972, Randolph Quirk, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech & Jan Svartvik, Longman, 1799 pp.)共著者はいずれもイギリスに本拠を置いた著名な言語学者(英語分析)です。筆者は、1970年代のアメリカにおける英語学の博士論文の重要参考文献の一つとして使用しました。イギリスとアメリカの大学生用にその簡易縮小版、A Communicative Grammar of EnglishA University Grammar of English(アメリカではA Concise Grammar of English)も出版され、慶應義塾大学在任中は筆者も、TOEFL iBT® テスト, GRE®, GMAT®, LSAT, MCAT®などのテストの受験を考えていた学生に必読書として推薦しました。留学先の授業のwritingにも役立ったはずです。
(*7)A Corpus of English Conversation1980, J. Svartvik and R. Quirk, eds. Lund Studies in English 56, 890 pp.) 、および、同編集者らによるThe London-Lund Corpus of Spoken EnglishLLC Corpus, 1953~1987)を参照してください。
(*8)言語学(特に社会言語学)でよく使われる概念で、言語社会における言語変種の活発性を指す指標です。筆者は1970年代に受けた社会言語学の授業で首都ワシントンにおけるAfrican American Englishのvitality調査を行ったことがあります。1979年の春には旅行先のFrench–Flemish Bilingual 特区Brusselsの両語のvitality調査を行いました。
(*9)筆者自身このサイトのようなプロジェクトを始めようとしたことがあります。毎年1,200名以上受講したプロジェクト英語の学生が協力すれば相当な成果が出ると期待しましたが、定年退職の為に実現できませんでした。
(*10)こうした私的なサイトで飛び交う語彙・表現が人々に認識され受け入れられてグローバル英語の語彙になります。企業や機関や学校などの名称にacronymsを使用する場合、日本でオーケーでもグローバル社会ではタブー視されるケースがあります。例えば、日本のある教育機関の名称として使われているacronymに、アメリカで1970年代のコメディアンGeorge Carlinが“The seven words you can never say on TV”で取り上げた7つの放送禁止用語の一つを連想させてしまうものがあります。他にも、他が使っていて商標権が取れないという場合もよくあります。最初に商標権を取った方が勝ちです。
(*11)ここではThe meme typesのことです。“The Complete List of Meme Types”参照。Richard Dawkinsの提唱した、ある特定の文化の中で人から人へ広がって行くアイディア、行動などを指すmemes(the internet memesなど)ではありません。
(*12)筆者は1980年代に欧米約20名の研究者らと共著でA User's Grammar of English: Word, Sentence, Text, Interaction(1989, René Dirven, ed. Verlag Peter Lang, 959 pp.)を出版しました。Word Formation でabbreviationsに触れていません。筆者はModality:English modalの担当で定かではありませんが、議論さえなかったと記憶しています。1980年代中盤当時あまりproductiveな現象ではなかったからです。

A Corpus of English Conversation
▲ A User's Grammar of English

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