前回(第72回 英語は勉強してはいけない!「浴びて」「使う」のが大切!)は「学習」するのではなく、自分が好きなことに英語を「使う」ことが大切ということをお話ししました。そして、全部わからなくてもいいから好きなものをたくさん読んだり聞いたりする「多読・多聴」が一番、というお話もしました。今回は、SpeakingとWritingについてです。
これも同じことです。まずは自分の言いたいことを話したり書いたりしてみる。間違いを気にしてはいけません。1日5分でいいから、紙に思いついた英語を書いてみる。誰に見せるわけでもありません。「日記」というほどかしこまったものでもありません。子供が紙に落書きするような感覚で結構です。単語が思い浮かばなかったらそこだけ日本語でもいいでしょう。とにかく5分間、ペンを止めずに頭に浮かんだ英語を書き連ねてみてください。「多読・多聴」を並行して行っていれば徐々に英語が整ってきます。もちろんこれだけで「完璧」にはなりません。でも、まずは英語を「書く」「話す」という経験を積みましょう。母語もそうやって習得しているはずです。話はじめた幼児に「ちゃんとした日本語が話せるまで外でしゃべっちゃダメよ!」なんて言う親はいないはずです。外国語だってまずはでたらめでもいいから話したり書いたりしてみることが必要なのです。
話すのは一人でつぶやくわけにはなかなかいかないでしょう。英語を話す友人がいれば英語で話してみましょう。日本人同士、それも初級者同士でもOKです。実際私は授業中2~3分、生徒同士で何でもいいから英語で話すという時間を作っています。最初はとまどいますが、5~6回やれば自然に英語で話すようになります。
慣れてきたら、つまり、間違いを気にせず書いたり話したりするMindsetができたら、インターネットでどんどん英語を使いましょう。TwitterやFacebook等のSNSでは英語で発信するだけで世界中から反応がきます。また、私自身は試したことがないのですが、友人の話だとネット英会話もよいものがあるそうです。
話したり書いたりする相手については「ネイティブ・スピーカー」にこだわらないでください。今や英語は「国際共通語」なのです。ノン・ネイティブ同士が英語を使って意思疎通するのが「グローバル・スタンダード」なのです。イギリス発音、アメリカ発音、そんなことを気にしているのは日本人くらいでしょう。
日本人はすでに英語が「できる」のです。できるのだからどんどん使おう、Yes you canのMindsetが大切です。