書籍やラジオ、インターネット、スマートフォンやタブレットの普及により、時間と場所を選ばずやる気になりさえすれば、英語のスキルアップのチャンスは私たちの周りにたくさんあります。教材も多種多様そろっています。しかし、どんな教材を使っても、ネイティブに「そんな風には言わないよ」と言われショックを受けたり学習自体が続かなかったりということがなかったでしょうか。やるならネイティブに通用し、話題も膨らむネタ、英語の先生なら授業にも活かせる内容を仕入れておきたいですよね。今回は「オーセンティック」にこだわりスキルアップできる教材と手軽に隙間時間を使ってできる学習法をご紹介します。ゆっくり時間がとれないという方にお勧めです。
私がよく使用するのは『CNN english express』(朝日出版社)です。ニュースやインタビュー記事を通し世界各国の情勢を知ることができます。大人はもちろん中高生でも興味深い内容が満載です。日英対訳になっているので疑問に思ったところをすぐに内容確認をすることができるのがありがたいところです。教材自体がウォーミングアップ編、実践編、強化編の3つのステップ(Step1. 短めのCNNニュースでリスニングの基礎力をつける Step2. CNNレポートを素材にしStep1で構築した基礎を実践する Step3. インタビューやスピーチから上級のリスニング力をつける)で構成されており自分のレベルに合わせ教材を選択することができます。付属の音声CDには、イギリス英語、アメリカ英語、オーストラリア英語などがバランスよく配分されているので、いろんな国の英語を聴き、耳慣らしをすることもできます。その音声も「ナチュラル音声」「ゆっくり音声(ポーズなし)」「ゆっくり音声(ポーズ入り)」など、学習段階に応じて選択をすることもできます。特にニュースについては時事問題について精通できると同時に、英文の構造を知るのに役立ちます。30秒という短い時間の中にTopic sentence、Supportive sentence、Conclusionが凝縮されていることが多いからです。授業で使用する場合も、リスニングでこうしたポイントをつかませるのに役立ちます。
私がCDを聴く(①~③、⑦⑧)のはもっぱら通勤時の車の中か料理中です。運転したり料理をしたりしながら1回目からShadowingをします。また、④⑤は入浴中に湯船につかっているときに行います。お風呂の中は音が響いて英語が上手に聴こえます(笑)し、周りを気にせず声を出すことができます。⑥以外は隙間時間を使って行えるので学習時間がない方もやる気になればできます。余裕があるときには、英文の要約、暗誦、パラフレーズなどをして即興力も磨くようにしています。スマートフォンやタブレットをお持ちの方は、電子書籍版(AppleのNewsstand版)で読んだり音声を聴いたりすることもできます。
日々のトレーニングによる英語力向上で自然とClassroom Englishも増えるでしょうし使う自信も湧いてくるのではないでしょうか。バラエティに富んだ内容が紹介されているので、英語を通し世界を知り心を揺さぶられる記事に出会うことがあります。実際にCNNeeの内容からインスピレーションをもらいデザインした授業の様子が『CNN english express』2015年3月号に掲載されています。また、達人セミナーの講師が中心となり、『CNNeeデジタル教材プロジェクト―CNNeeワークシート』(お問合せはsupport@cnnee.jp まで)が授業で使うことのできる教材として配信されています。
英語を通して世界の出来事を知り、かつ英語を言語として学びスキル習得もすることができる『CNN english express』。言葉を習得するには短い時間でも続けることが大事。さあ、その一歩を今踏み出してみませんか?
【参考文献】
○『CNN english express』2015年3月号
○胡子美由紀DVD「広島市立早稲田中学校 Part-4 4技能統合型言語活動と
協同学習を通しての英語活用力・コミュニケーション力育成 ~ Discussionに挑戦 ! ~」
ジャパンライム
○『生徒を動かすマネジメント満載!英語授業ルール&活動アイデア35』
明治図書/胡子美由紀(著)