「英語落語」の利用について、今までこのサイトに北川千穂先生(第66回「なんちゃって英語落語」はどうでしょう?~シチュエーションごと暗記し、表現を自分のものに!~)や私(第10回英語落語で音読<楽>習)が寄稿していますが、主に「英語落語を演じること」を英語学習に活かす方法に重点を置いたものでした。もちろん「英語落語」はパフォーマンスするものですからこれが中心になって当然ですが、実は「英語落語」の読み物もいくつか出版されています。これが皆さんのリーディング力アップにうってつけなのです。今回はこちらに焦点を当てます。
「英語落語」を読むことにどのような利点があるのでしょうか。次のような点が考えられます。
以下に一つずつ説明を加えます。
「英語落語」関連本は大きな書店の日本文化紹介本のコーナーをのぞくと見つけることができます。最近では、NHKラジオ講座「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」の番組の一つとして「英語落語」が取り上げられ、月刊テキストがいずれは本(CDブック)にまとめられるでしょう。その他、中山幸男 (2006)、ジャパンタイムズ「週刊ST」編 (2007) (CD付)などは読み物として楽しめます。また立川志の輔ほか(2008)(CD付)、桂あさ吉ほか(2011)(DVD付)や立川志の春(2013)(CD付)などはスクリプトが中心ですが、人物の動きなどを想像すればより深いレベルの読み物になります。
現行の中学校の英語教科書(New Crown、New Horizon、One World)に「英語落語」が取り上げられています。また新学習指導要領に合わせて制作された平成28年度用の別の教科書(Sunshine)にも、少し長めの「英語小咄」がReading教材として採録されることになっています。「おもしろポイント」がどこにあるのかをアクティブ・ラーニングの課題としてグループで話し合い、クラス全体で読みを深めようとする狙いが見えます。
ストレスフルな昨今、まなじりを決して、苦しい勉強をするだけでは長続きしません。「英語落語」でリラックスして英語の勉強を続けましょう。Laugh & Peace!
【参考文献】
○『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』NHKラジオ講座
○『落語 Rakugo(ラダーシリーズ Level 2)』(2006)IBCパブリッシング/中山幸男(著)
○『英語で読む古典落語』(2007)ジャパンタイムズ/ジャパンタイムズ「週刊ST」(編集)
○『英語落語で世界を笑わす! シッダウン・コメディにようこそ(CD BOOK)』(2008)研究社/大島希巳江(著)立川志の輔(著)
○『はじめての英語落語』(2011)国際語学社/桂あさ吉(著)大矢智子(著)渡辺克義(著)小谷俊介(編集)中島直子(イラスト)
○『誰でも笑える英語落語: Rakugo in English』(2013)新潮社/立川志の春(著)