以前担当した英語番組で「英語俳句」を取り上げたところ、多くの視聴者から「私もやっています」という声が届きました。HAIKU は海外でも楽しんでいる人がかなりいると聞いています。今回は「英語学習」の方法の一つとして「英語俳句」に取り組んでいただくことにします。
英語俳句の効用を簡単にまとめると、次のようになります。
1)自己表現ができる
2)英語の語感に敏感になる
3)短い英文を書く練習になる
4)やさしい英語がすぐに出てくるようになる
5)英語の語彙が豊かになる
6)自然や身の回りの出来事に敏感になり、観察力が磨かれる
こうして、「効用」を改めて見てみると、まさに「英語学習」の重要な基本が盛り込まれていますね。では、「作り方」と「楽しみ方」です。
海外では俳句の基本形である5−7−5にこだわらないものが多いようですが、「なるべく守る」という程度で「ゆるく」いきましょう。「季語」についても同様です。では、「英語で5−7−5はどうやって数えるか」という点から始めることにしましょう。
「音の区切り」をsyllable(音節)と言いますが、基本的に「母音の数」で数えればいいでしょう。英語では「二重母音」(great、nameなどの [エイ] 、light、whiteなどの [アイ] など)を「1つの音」と数えます。ちょっと例を挙げてみます。( )内の数字を参考に。
winter(2)、surprise(2)、interest(3)、locally(3)、systematic(4)、communicate(4)、international(5)、administration(5)
さて、いよいよ英語俳句の作り方です。次のステップを参考にしてください。
1)身の回りの自然や日常の出来事をよく観察する
2)心に留まったことをやさしい英語で表現してみる
3)意味を伝えるのに大事な単語の中からリズムに合うものを選ぶ
4)声に出して何度か読んで、修正する
英語に関して、次の3点を念頭に作ってください。
1)I「私」は使わないようにする
2)「今」の感じを出すために動詞の時制は「現在形」が基本
3)「詩」の一種という理解なので、3行に分けて書き、各行の最初の文字は大文字。ピリオドはつけない
次のようなプロセスを参考にしてください。
道路に木々の葉が次々と落ちて行くのを見た。散った葉が道路に積もり、まるで道路が黄色がかった茶色に染まったようだった。まさしくこれが冬の色だと思った。
I saw the leaves fall. They kept falling on the road. It looked like they painted the road yellowish brown. I thought it was the color of winter.
The leaves keep falling(5)
Painting the road yellowish brown(8)
The color of winter(6)
さあ、声を出してこれをゆっくり読んでみます。悪くない感じです。よし、これで完成!
( )の中の数字は「音節の数」です。きれいに5-7-5とはいきませんでしたが、5-8-6でちょっと字余りですね。まあ、このくらいの「ゆるい」感じでいいです。
今ちょっと浮かんだものを一句。
A long winter night
A glass of wine and a pen
For making haiku
さあ、冬の夜はワインとペンを用意して、俳句を詠むことにしませんか。