達セミに学ぶ 英語学習のヒント
全国の熱血教師による授業に学ぶ英語学習方法伝授
- 東京都立白鷗高等学校
- 小林翔先生
今回のヒント
一人でできる音読方法
レベル別音読を習慣化して英語表現を定着させる
音読が英語学習に効果的であるということに異論はないと思います。言語の修得には時間がかかります。時間に限りのある学校や予備校などで学習する以外の、いわゆる家庭学習における取り組みが成功の鍵を握っているといっても過言ではありません。そこで、一人でも家庭でできる音読学習方法を提案します。
音読といっても、文字を見ながら前から単純に音読するだけではすぐに飽きてしまいます。学校であれば、友達同士でペアを組んで一緒に様々な方法で行うことも可能ですが、自宅ではそれができません。そこで、自分のレベルに合った音読方法からスタートし、1つずつ難しい音読方法まで取り組みたくなるような音読方法を提示します。生徒の場合であれば、教科書本文のレベル別音読方法を事前に提示してあげると、自ら挑戦しようとする気持ちを刺激できます。
自分でレベル設定を変えていく音読方法は、自分で選択できるという利点があります。そのことが、やらされている感ではなく、やってみよう!という前向きな気持ちに変わります。誰でも、難しいことができるようになれば嬉しいと思います。できるようになった、読めるようになった!という、達成感を感じさせると、取り組む姿勢が変わり、継続します。
レベル別に英文の長さを調整する
- レベル1:
- 単純に音読する。
- レベル2:
- チャンクごとにリードアンドルックアップする。
- レベル3:
- 細いマーカーを1本英文の上に置いてその部分の英文が隠れるようにして音読。
- レベル4:
- 太いマーカーを2本英文の上に置いてその部分の英文が隠れるようにして音読。
- レベル5:
- 一文ごとにリードアンドルックアップする。
- レベル6:
- 最初の数語のみ目で確認してすぐに顔を上げて言う。
- レベル7:
- 何も見ずに言える所まで音読し、つまった場所の単語に鉛筆でチェックする。
- レベル8:
- 何も見ずに言える所まで音読し、つまった場所の単語に青ペンでスラッシュする。
- レベル9:
- 何も見ずに言える所まで音読し、つまった場所の単語に赤ペンでスラッシュする。
- レベル10:
- 何も見ずに言える所まで音読し、つまった場所の単語に蛍光ペンでスラッシュする。
- レベル11:
- 携帯電話の録音機能を利用して、何も見ずに1段落全て音読する。
- レベル12:
- 携帯電話の録音機能を利用して、何も見ずに全部音読する。
自分の達成度をモニターする
レベル7~12までの音読方法は、ペンと携帯電話の録音機能を活用したモニタリング音読です。家庭では教師が側にいません。しかし、このセルフチェックの方法であれば、自分で自分の立ち位置が目に見えてわかるので、一語でも一歩先を目指し、最後のピリオドを目指すようになります。
更に具体的な授業で使える音読方法については下記拙著を参考にしていただけると幸いです。
[参考図書]
『高校英語のアクティブ・ラーニング 生徒のやる気を引き出すモチベーション・マネジメント50 』
明治図書/小林翔(著)
『高校英語のアクティブ・ラーニング 成功する指導技術&4技能統合型活動アイデア50』
明治図書/小林翔(著)
- 東京都立白鷗高等学校
小林翔先生 プロフィール
- 東京都立白鷗高等学校主任教諭。関西大学大学院修了(外国語教育学修士)。単著に『高校英語のアクティブ・ラーニング-成功する指導技術&4技能統合型活動アイデア50』(明治図書出版)、『高校英語のアクティブ・ラーニング 生徒のやる気を引き出すモチベーション・マネジメント50』(明治図書出版)。共著書に『英語授業の心・技・愛 −−小・中・高・大で変わらないこと』(研究社)。DVD『高校英語のアクティブ・ラーニング』(ジャパンライム)など。
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