ライフハッカーを読んでいたら、次の文章に目が止まりました。「ハーバード教育大学院のNonie Lesaux教授によれば、子どもがある言葉とその意味を理解するには、その言葉を13~15回、タイミングと文脈を変えて見聞きする必要がある」。原典にあたったところ、確かに単語の意味を深く理解するためには、12~14回出会う必要があると書いてありました(ちょっと数字が違いますが、ご愛嬌ということで)。
では単語に多く出会う方法は?となります。私の経験では、生徒たちが語彙や内容を深く習得するのは、ディベートの時が多いです。ディベートでは、同じトピックについて何度も読んだり話したりすることが多いのです。でも、普段は英語でディベートはあまりしないですよね。でも大丈夫。同じようにして学ぶ方法があります。それは結構目にすることが多くなったSDGsを扱ってみることです。
国連のWebサイトを見ると、SDGsの17の目標についてコンパクトにまとめられたPDF(Why the SDGs matter)が載っています。それを読むと、各目標のキーワードが満載なので、重要な語彙に自然と触れることができます。例えば、いま授業で扱っている目標4の教育では、"gender equality"や"the cycle of poverty"などの重要表現が出てきます。さらに、SDGsでは目標達成を数字で判断するので、"declined from 40% to 22%"などと、数値変化についての表現もよく出てきます。また画面右に配置されてある各目標の説明ページへのリンクを辿れば、関連するニュース等があり、もっと同じトピックについて触れることができます。実は、この活動の目的は何度も同じ語に出会うことなのですが、語彙学習を意識しなくても、内容に興味を惹かれて読んでいるうちに「あ、この単語さっきも見た」と感じることが多くなります。生徒も授業である教育に関連するNPOについて学んだ後に目標4の"Why it matters"を読んで、授業で習った単語が多いことに驚いていました。同じトピックでは同じキーワードが出てきやすいんですよね。
さらに学んだことや知ったことを、SNSに書いてみるのも良い方法です。あとはWorld Economic Forum(WEF)にも関連した記事が多く載っていますので、WEFをフォローしたりすると、同じ語に自然と出会う回数が多くなります。WEFはわりと易しめに書かれていることが多いので、これもおすすめです。以上、単語を自然と学ぶヒントでした。