20代の頃、文部科学省・外務省主催の「日本人若手英語教員米国派遣事業」に参加し、現地の大学院で英語教育について勉強する機会をいただきました。
大学院の授業形式は、大半がディスカッションでした。英語での討論の経験がほとんどなかったこともあり、最初の頃は何も発言できずに終わるということを繰り返していました。自分の話す力の弱さから言いたいことが言えず、何度も悔しい思いをしました。
それ以来、特にスピーキングに力を入れて、英語学習に取り組むようになりました。幸い、現地では英語を使う機会が日常的にあったこともあり、帰国直前のTOEFL®テストスコアは渡米前に比べて順調に伸びていました。一方で、帰国後は英語を使う機会がほとんどなく、話す力が衰えていくことに焦りを感じていました。
そんな時、ある先生からご紹介いただいたのが「オンライン英会話」です。オンライン英会話とは、Skypeなどを通じて海外にいる講師とマンツーマンのレッスンを受けられるというものです。
オンライン英会話は、早朝から深夜まで幅広い時間帯が設定されており、毎日好きな時間にレッスンを受けることができます。開始5分前まで自由に予約ができるので、スキマ時間を活用することも可能です。
言語習得には「継続」が不可欠です。その点、オンライン英会話は「いつでもどこでも」できるので、通学型に比べて時間的・経済的な負担が少なく、継続しやすいように思います。
「海外の友人に英語を教えてもらおう」と考えている時期もありました。しかし、私たちが外国人の日本語の間違いを指摘しづらいのと同じで、外国人は私たちの英語の間違いを「厳しく」指摘はしてくれません。やはり「先生と生徒」という状況を作らない限り、本格的に話す力を伸ばすことは難しいです。
オンライン英会話では、講師から指摘された内容・コメントなどが「マイページ」に記録されるので、自分の成長や改善点を「見える化」できます。一人では気づかないことでも、評価者がいることでさまざまな気づきが生まれます。
「スピーキング力」と言っても、その中身はさまざまです。自分が伸ばしたいのは、「量」(流暢さ)なのか、「質」(正確な発音・文法)なのか。また、目指すのは「日常会話」なのか、「試験対策」なのか。レッスンを受ける上でそこを明確にしておく必要があります。レッスン内容は目的に応じてこちらからリクエストすることが可能です。
例えば、
流暢に話したい⇒雑談、ディスカッション
発音を直したい⇒発音練習
試験対策をしたい⇒TOEFLテストのスピーキング問題
のように、目的に応じてレッスン内容は大きく変わります。「このような力を伸ばしたい」と講師に相談して、教材を用意してもらうことも可能です。
「言いたいけど言えなかった表現」というのは会話中に必ず出てきます。それらをメモしておき、後から調べることで、使える表現が確実に増えていきます。忘れないよう、必ず「その瞬間」に書き留めることが大切です。
録音することで、発話を後から分析することが可能になります。スピーキングはその場で詳細に分析することは難しいです。しかし、録音することで「見える化」ができるので、リアルタイムでは気づかなかった文法や発音などの間違いを発見し、修正することが可能になります。
部活動で「試合だけ」では上手くならないのと同じで、同時並行で「トレーニング」が必要です。前述の「メモ」「録音」をトレーニングと組み合わせることで、レッスンとのつながりが生まれます。以下に、2つの練習方法をご紹介させていただきます。
日本語の単語・文章を見て、瞬時に口頭で英訳していく練習方法。瞬発力を鍛えて、「考えてから話す」時間を短くするねらいがあります。レッスン中の「メモ」を使うことで、復習とトレーニングを同時に行うことができます。
英語の音声を聞いた後、すぐに復唱する練習方法。繰り返し聞いて発音することで、英語独特のイントネーションやリズム、区切り方などを身に付けるねらいがあります。録音した講師の音声を使うことで、同じく復習とトレーニングを兼ねることができます。
上記以外にも、さまざまなサイトで教材・練習方法が紹介されています。その中からご自身に合ったものを見つけて取り組んでいただくことで、より「話す力」を伸ばすことができます。
始めるまでは半信半疑でしたが、レッスンを受けてみるとオンライン英会話の「費用対効果」に驚きました。1レッスン当たり129円という価格に対して、講師の質は高く、「もっと早く始めれば良かった」というのが正直な感想です。
この記事を読まれた方が少しでもオンライン英会話に興味を持っていただき、スピーキング学習に取り組むきっかけとなれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。