前回は「オンライン英会話でどのように話す力を伸ばすか」について、ご紹介させていただきました。今回は、「オンライン英会話でどのように聞く力を伸ばすか」がテーマです。
米国派遣中、スピーキングと同じくらい苦しんだのがリスニングです。私たちが普段聞いている教材の音源は、いわゆる「綺麗な英語(標準英語)」です。しかし、実際の会話では話すスピードやイントネーションが人によって変わります。米国滞在中はそのギャップに苦しみ、当初はなかなか聞き取れずにいました。最終的には慣れもあって何とか聞き取れるようになりましたが、話す力と同様に「聞く力」の重要性を感じるようになりました。そこで、帰国後はオンライン英会話で聞く力を伸ばすことに取り組み始めました。
オンライン英会話では、講師が発音の間違いを指摘してくれます。発音を矯正するにつれて、聞こえる音が増えていきます。「自分が発音できない音は聞き取れない」と言われています。速すぎて何も聞こえないというのは、自分の発音との「ギャップ」があるからです。その差を埋めることが、聞く力を伸ばすための一歩です。また、個別の発音だけでなく、リンキング(単語と単語が繋がる)、リダクション(単語の一部が発音されずに消える)などを発音できるようになると、聞き取れる音がさらに増えていきます。
教材に付属している音源は、基本的に同じ人が同じ速さ・イントネーションで読んでくれるため、比較的聞き取りやすいです。しかし、実際の外国人には早口の人もいれば、ボソボソ話す人もいます。また、日本語の方言と同じように、出身国や地域によって発音の違いも見られます。
オンライン英会話では講師が毎回変わるため、さまざまな英語を聞く機会があります。そうした多様な英語を聞き続けることによって、耳が鍛えられ、さまざまな英語に対応できるようになっていきます。
オンライン英会話の場合、聞き取れない時は、講師がゆっくりと言い直してくれたり、簡単な言葉に言い換えてくれます。これはCDなどの音源にはできないことです。こうして自分に合ったスピードと語彙で話してもらうことで、難易度を徐々に上げていくことができます。
上記をメモすることで、後から発音教材として活用することができます。忘れないよう、必ず「その瞬間」に書き留めることが大切です。講師の先生も記録をとってくれるので、そちらも併せて利用すると良いかと思います。
講師との会話を録音しておくことで、後からリスニング教材として活用することができます。Skypeの場合、録音機能がついているので、それを活用することも可能です。
リスニングを勉強するときに気をつけたいことは、「易しい教材を使う」です。自分が「読んで分かるもの」を使用することが大切です。読んで分からないものは聞いても分からないので、リスニング教材のレベルとして適切ではありません。オンライン英会話の講師は、それぞれのレベルに応じた英語を使用してくれるので、常に「易しい教材」を提供してくれることになります。
自分で発音できない音は聞き取ることができません。まずはレッスンの中で指摘された単語の発音を確認して、自分で発音できるようにすることが大切です。それと並行して、私は「絶対発音力「マトリックス方式」で脱日本人英語 」(ジャパンタイムズ/静哲人著)という教材を使って発音練習に取り組んでいました。母音や子音の基本的な発音から、イントネーションまで、これ一冊で練習することができるのでおススメです。
英語の音声を聞き、その音を追いかけながら復唱する練習方法。録音した講師の音声を真似て発音することで、英語独特のイントネーションやリズム、スピードに耳を慣らすことができます。特におススメしたいのが、「サイレント・シャドーイング」です。小声でシャドーイングをすることで、「聞くこと」に意識が集中し、より聞く力を伸ばすことができます。最初はサイレントから始めて、慣れてきたら通常のシャドーイングに移行するのが良いかと思います。
英語の音声を、文章に書き起こす練習方法。難易度は高いですが、英語を正確に聞き取れているかを確認するのにとても効果的なトレーニングです。集中力を要する活動なので、録音した音声のどこか一部を選んで取り組むのが良いかと思います。
上記以外にも勉強方法はさまざまです。最近では、Podcast、YouTube、海外ドラマなど、身近な場所に教材が溢れています。聞く力を伸ばすために、さまざまな題材を通して「リアルな音声」に慣れることが大切です。
聞くことは、コミュニケーションの入口です。いくら話すことができても、相手が言っていることを理解できなければ、「会話」に繋げることはできません。この記事を読まれた方が少しでもオンライン英会話に興味を持っていただき、リスニング学習に取り組むきっかけとなれば幸いです。前回に引き続き、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。