今回の英語学習方法は、「ユビキタス」をキーワードに、いつでも、だれでも、どこでも英語学習が手軽にできる方法を1つ紹介します。
英語学習者の皆様は、TEDという言葉を一度は聞いたことがあると思います。TED(Technology Entertainment Design)とは、世界的大規模な講演会を開催している非営利団体です。TED Talksでは、TED関連のプレゼンテーションの動画を、インターネットを通じて無料配信しており、2006年の開始以来その講演内容のいくつか(2020年1月現在で3,200本以上)を無料で視聴できます。2016年で動画数は2000本を超え、その数は今後もますます増加すると容易に想像できます。世界中の著名人をはじめ、素晴らしいアイディアを持った様々な発表者によってプレゼンテーションが行われ、発表内容のジャンルも多岐にわたっています。これほどまでに浸透している理由として、100を超える言語に翻訳され、字幕の選択が容易である点はもちろんですが、YouTuber等のネット配信者が人気職業にランクインするなど、動画サイトが多くの人に認知され、身近な存在になっている点もTED Talksの魅力を高めていると思います。
私も10年以上前であった学生の頃に初めてTED Talksを知り、何度かパソコンで視聴していましたが、継続できませんでした。その当時を振り返ってみると「難しい。飽きる。パソコンの前に座って視聴するのが面倒くさい」というような、言い訳が頭の中にあったように思います。
しかし、今ではスマートフォンを片手にランニングしながら聞くことや、電車に乗りながら視聴するなど、何か別のことをしながらする「ながら学習」が可能になりました。
2回の連載を通して、このTED Talksの概要説明や、TED Talksを活用した私なりの英語学習法をお伝えいたします。読者の皆様は、それを参考にしながら、自分に合った学習スタイルを試していただけると幸いです。
■ビデオ選びのルール
1)5分程度の長さのビデオ
2)自分が興味のある内容のビデオを少し視聴し、面白いと感じれば最後まで視聴
3)つまらないと感じたら、別のビデオをサーチ
ビデオ選びについて、私の例をご紹介しましょう。私の趣味の一つにマジックがあります。そこで、自分の興味や関心に合ったトピックはないかと探してみると、3つのiPodをマジックの小道具として利用した、嘘と真実、芸術と感情についてのプレゼンテーションを見つけました。動画再生時間も5分以内でした。検索方法ですが、Search talksにmagicとキーワードを入力するとマジックに関連のありそうなプレゼンテーションがいくつか表示されます。
次回は、もう少し具体的に、初級学習者向けのTED-Edを活用した英語学習法についてご紹介します。
引用:マルコ・テンペスト「嘘と真実とiPodのマジック」(Marco Tempest | TEDGlobal 2011)