スペシャルインタビュー
英語を活かしグローバルに活躍されている方や話題の企業や団体にインタビュー
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ
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- 左:
- グループ人事部 採用チーム
次長 朝日 章吾さん
- 中央:
- グループ人事部 キャリア開発室
参事役 佐藤 賀雅さん
- 右:
- グループ人事部 キャリア開発室
参事役
片山 英治さん
“『グローバルの中で学んだことをどのように<みずほ>に生かすのか』という新しい視点が必要”
「公募留学制度」「教育プログラム」の取組みについて教えてください
- 片山さん:
- 「公募の留学制度」ということで運営しておりまして、30代前半くらいまでの社員から公募を募り、社内選考を経て欧米アジアの2年制のMBAを中心に毎年8名程を派遣しています。応募はグループ全体からありまして、年によってばらつきはありますが倍率は10倍を超えています。
- 編集部:
- 選抜をされているということですが、英語力の基準はあるのでしょうか。
- 片山さん:
- まず、公募を募るときに一定の英語力の基準を設けています。そして1次試験ではTOEFL ITP® テスト(*)を行い、最終面談の選考材料としています。
- 編集部:
- 留学を経験したり、MBAを取得したりすると、その後のキャリアにはどのような変化があるのでしょうか。
- 片山さん:
- ファイナンスやアカウンティングなどは実際の業務を通じて事前に身に付けていることもありますので、MBAプログラムに参加してそこで新たに学ぶということよりも、世界各国から集まった参加者と切磋琢磨する経験を通じて、自分なりの立ち位置が明確になり自信がつき、それによって視野や価値観が広がり変化がでてくることが大きいと思います。また、海外の拠点も多く、毎日海外の情報が豊富に入ってくる中で、あえて「公募留学制度」を続ける意義は、『グローバルの中で学んだことをどのように<みずほ>に生かすのか』という新しい視点が必要だからです。単に他の企業で上手くいっている例をあてはめるというのではなく、<みずほ>にとってはどういったことがベストなのだろうか。ということを考えて将来活躍をしてもらえることを期待しています。
- 編集部:
- 留学先において、バックグラウンドの違う人たちの中で競争したり人間関係を築いたりすることが、大きく人を変えていくのではないかと思いますが。
- 片山さん:
- そうですね。現在派遣している国は欧米が多いのですが、今後はよりアジアの大学へ目を向けていこうと考えております。参加者の中にも将来はアジアでの活躍を希望していて、アジアからの優秀な人間が欧米の大学に集まっているという理由で欧米の大学に行く者もいます。また、数は少ないですがアジアに直接留学する者もいます。
- 編集部:
- 実際帰国された方が、配属される部署というのは多種多様になるのでしょうか。それとも海外に接点のある部署に配属されることが多いのですか。
- 片山さん:
- 我々としても最大限に個人の経験を活かせる環境を考えております。直接海外の拠点に赴任する者もいれば、日本からそういった能力を活かせるようなことも考えております。また、海外拠点から留学するケースもあります。我々と本人のキャリアに対する希望を聞きながら一人ひとりにあった配置を考えております。
- 編集部:
- 昨今若者が内向き志向と言われておりますが、御社グループの若手社員の方にはそういった傾向がみられるのでしょうか。
- 片山さん:
- 「公募留学」では感じません。公募留学制度は、英語で基準を設定しているので、それをクリアしているか、もしくはそれを目標にして努力された方が応募をしてくることもあり、本当に意欲も能力もあり『明日を自分でものにしょう』と考える上昇志向の者ばかりで、力強い候補者が多く、我々も選考が難しいというのが現状です。
- 佐藤さん:
- これは、私の個人的な意見にはなりますが、これだけ世間でグローバルと騒がれている中で、メガバンクに入ってくる学生さんというのは、グローバルなことを当然ながら意識されていると思います。実際に学生さんと話をしてみてもかなり多くの方が意識はされていますので、特に内向き志向は感じられません。
- 朝日さん:
- 私は1991年のバブルの時代に社会人になりましたが、当時と比べるとグローバルなビジネスオポチュニティが非常に増えてきていますし、我々もアジアを一つの商圏としてビジネスをしていることもあり、若い方だけではなく30代を過ぎた中堅の社員でも、将来的なことを考えて海外で働きたいという希望者は増えてきています。私も入社当時はまったく海外に行きたいとは思っていませんでしたが、お客さまがどんどんグローバル化していく流れの中で、自分のキャリアを考える時に「海外での業務を一度経験したい」と強く思うようになりました。30代半ばから勉強し始めて38歳の時にシンガポールで海外勤務を4年間行ってきました。当時38歳で初海外勤務というのは、会社の中で最年長記録でしたが、その後同期もどんどん海外に行き最年長記録が更新されています。今では、40歳を過ぎても海外勤務させようという機運もありますし、「ラストチャンス」と前向きに捉えて希望者も増えてきています。
- 佐藤さん:
- 教育プログラムに関わることになりますが、教育の一つのミッションは「自社の事業戦略を担う人材を継続的に供給する」ことにあります。<みずほ>も真のグローバル化を目指す中で、留学の他、海外赴任、トレーニーといった形で年間100名以上の若手社員を海外に派遣しています。同じ事を経験させても吸収力が違うので、なるべく若いうちに海外を経験させたいと考えています。対象国は英語圏とは限りません。ニーズの多い、英語と中国語については国内で自己啓発プログラムを提供しています。
教育担当として、如何に若手をモチベートするかが課題です。入社後は、どうしても業務が忙しい、職場でなかなか英語を使う機会がないというように、勉強しない言い訳はいくらでもできます。そうした中で、先ほど申し上げた若手の海外派遣のように、活躍する「場」を提供したり、学習コンテンツを工夫するなどして、若手が自律的に学習できる環境をつくりだすよう心掛けています。
(*)TOEFL ITP® テスト
TOEFL ITPテストはTOEFL® テスト作成元であるEducational Testing Service(ETS)が提供する団体向けテストプログラムです。詳細はこちら
次回は株式会社みずほフィナンシャルグループ ―後編―をお届けします。
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ
- みずほフィナンシャルグループは、グループ内に「銀行・信託・証券」を自前で保有する日本で唯一の総合金融グループです。主なグループ会社には、国内最大級の顧客基盤を有するリーディングバンクであるみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券があり、グループ全体で、国内外約890拠点に約55,000人の従業員が働いています。
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