スペシャルインタビュー

英語を活かしグローバルに活躍されている方や話題の企業や団体にインタビュー

株式会社ニュー・オータニ人事総務部 能力開発課 係長 杉井志帆さん
  • 株式会社ニュー・オータニ
  • 人事総務部 能力開発課 係長
    杉井志帆さん

ホテルニューオータニで人材開発を担当されている、人事総務部の杉井志帆さんにお話しをお伺いしました。

“英語を話せることはホテル業に携わる人間にとってマストになりつつある”

能力開発課とはどのようなことをされているのでしょうか

杉井さん:
能力開発課では会社全体の人材育成について担当しています。当ホテルでは研修は基本的に内製化しているため、手配やフィードバックだけでなく当日の講師も担当しています。研修の内容は多岐にわたりますが、新入社員研修から、部署ごとに行う研修、キャリア別に行う研修まで年間を通して行っています。

株式会社ニュー・オータニ総務部 能力開発課 係長 杉井志帆さん

英語など語学に関する研修を教えてください

杉井さん:
英語を話せることはホテル業に携わる人間にとってマストになりつつあるということもあり、英語に関する研修は多く用意しています。まずは、職場ごとに行っている職場英会話レッスンがあります。各職場によって必要とされる表現や学ぶべき表現が異なるので、英語講師が各職場の内容に合わせてレッスンを行います。また、ホテルのような365日24時間営業の職場では、スタッフの休憩時間や出勤日を揃えて受講させることが難しいため、救済措置として1年前からオンライン英会話を利用したレッスンもスタートしています。

その他の取り組みとしては2つあります。1つ目は年に1回、2週間のプログラムで米国コーネル大学サマースクールに派遣する研修です。ホテルビジネスの視野を広め国際感覚を身に付け、資質を高めることを目的としたもので、最大定員2名で入社して丸3年経っていれば年齢制限はなく若手社員、中途採用に関わらず応募できます。ただ、今の選考基準ではコーネル大学で英語での授業についていくのが大変だという話が出ており、今後はアカデミックな英語力という部分でTOEFL iBT® テストも視野に選考基準の見直しを行っていく予定です。

2つ目は英語のスピーチコンテストの開催です。毎年テーマを決めてそのテーマに沿って各々が考えてきたことを5分以内で話すもので、20~30人くらいのスタッフから応募があります。こちらのコンテストは英語のプレゼンテーションスキルを磨くというよりも、英語初心者が自分の想いをシンプルな言葉で伝えられるようになることを目的にしています。日本語だと長々しくなるスピーチが英語だとシンプルな表現になるからです。また、コンテストに向けてたくさん練習をするので、自然と英語のフレーズも覚えることができますし、英語のスキルアップにも繋がります。やはり通常の業務をしながら勉強を一方的に押し付けられるばかりだと嫌になることもあると思うんです。自身のモチベーションを保つという意味でも、こういった機会は刺激になりますし、50〜60人の大勢の前で自分の想いを伝え、自分の英語のスキルを披露し、自分の存在を見せることにもなります。審査員は部長をはじめとした役職者ですので直接アピールができることもあり、希望する部署に異動できるチャンスにも繋がります。

株式会社ニュー・オータニ総務部 能力開発課 係長 杉井志帆さん

 
また、語学関連では奨励金制度がありますが、社内で講座を設けている英語、中国語、スペイン語、フランス語以外の語学(第二言語として韓国語・ロシア語など)を学ぶ場合には、その費用を一部会社が補助をしています。ホテルニューオータニは創業以来多くの外国のお客さまに利用していただいておりますが、可能な限りお客さまの母国語でサービスをさせていただくことがおもてなしの一つでもあると考えていますので、第二言語の習得も推奨しています。

研修の効果測定はどのようにされているのでしょうか

杉井さん:
実務に即した内容で開発された弊社独自の英語検定を年に2回行っています。ニューオータニ英検は、専任講師が職場英会話のレッスン時にスタッフから多くあった質問を参考にしながら、ホテルニューオータニに特化した内容にアレンジした英語検定試験です。これがある意味で効果測定になっていると思います。ただこの検定では合否だけが重要ではなく、その後復習することで表現をどんどん覚えていくということを大切にしています。その他には一般的な英語試験も活用しています。

株式会社ニュー・オータニ総務部 能力開発課 係長 杉井志帆さん

語学以外に行っている研修を教えてください

杉井さん:
語学が堪能なスタッフはどこのホテルにもいますので、そこで勝負をしようというよりも「また宿泊したいな、利用したいな」と思っていただくために、スタッフ一人一人の資質を高めるような身だしなみ研修やマナー研修などを多く用意しています。例えばコミュニケーションの研修や歩き方の研修、女性の場合はメイクの研修などです。コミュニケーションの研修は、お客さまとのコミュニケーションということもありますが、風通しの良い職場作りのためにも行っています。そのため対象者は中堅層以上で係長までのスタッフです。実は若いスタッフの方がコミュニケーションは上手な場合が多く、経験を積んだ中堅くらいになると周りの意見を素直に聞けなくなる場合もありますので、そのような研修を設けています。若手に向けては考え方や心構えの研修です。例えば「オリンピックに向けて皆で頑張ろう」という目標だけだと、抽象的な内容になってしまうので「皆で同じ目標を持ち共に走っていくことがどんなに楽しいか」ということを伝えるために、課題を出して研修の中で各自話し合って答えを見つけてもらうよう心がけています。他者と同じ目標に向かい協力し合って答えを出すことは、とても清々しく楽しいことだと体感できる内容にしています。

ホテルニューオータニ
▲爽やかな初夏の緑が美しいホテルニューオータニの日本庭園

次回は「株式会社ニュー・オータニ ―後編―」をお届けします。

 

  • 株式会社ニュー・オータニ
  • 日本庭園に囲まれた、1964年創業のホテルニューオータニ。
    「エグゼクティブハウス 禅」、「ザ・メイン」、「ガーデンタワー」の3つのホテル、個性豊かなレストランや、大小の宴会場、ショッピングアーケードがあり、皆さまのあらゆるご要望にお応えします。
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