達セミに学ぶ 英語学習のヒント

全国の熱血教師による授業に学ぶ英語学習方法伝授

東京都立国分寺高等学校鈴木徹先生
  • 東京都立国分寺高等学校
  • 鈴木徹先生
今回のヒント
使いながら身に付ける ―文法・語彙編―

前回ご寄稿いただいた「使いながら身に付ける ―発音編― 」の内容はこちら

文法ですが、日本の中学・高校を出ている方なら基礎的な文法は大部分理解しているはずです。多くの方が「文法が難しい」と言いますが、それは日本語の文法用語や解説が理解できなかったり、文法問題に正解できないということであって、文法を理解していないわけではありません。

文法的に正しい文章を書いたり話したりするには、使いながら少しずつ直してもらうのが一番いいでしょう。仕事で使うためそんな悠長なことを言っていられない、という方は、日本の文法書ではなく、英語で書かれた文法ドリルをお薦めします(English Grammar in Useというシリーズが有名です)。ただし、文法ドリルが「中心」になってはいけません。あくまで日常的に「使った」上で学習するのです。

次に単語(ボキャブラリー)です。様々な研究で「多読」で語彙が増えるということが実証されているようですが、さすがに時間はかかるでしょう。そこで、必要に応じて辞書を使って読むことも効果的だと思います。ただし、「辞書を使わずに細かいところを気にせずたくさん読む」という習慣がしっかり身に付いてからにしてください。学校でやっていたような「全訳」「精読」に戻ってしまったら意味がありませんし、英語力も下がってしまいます。辞書を使いながら読む場合は、インターネットで新聞・雑誌記事を読むのがお薦めです。NewsweekやWall Street Journalなどは、英語記事を日本語に訳したものもネットで読むことができます(Wall Street Journalは有料)。有名なTEDも英語スクリプト、日本語訳が読めます。辞書もWeblioポップアップ辞書など、読書を中断することなく簡単に意味調べができるものがあります。最初に日本語を読んで、それから辞書を使いながら英語を読む。ただし、辞書を見てもよくわからないときは「多読」の要領で飛ばしてしまいましょう。これを続けていれば確実に語彙力は上がります。

日本人は「正しく使えるようになってから使う」と思っていますが、そんなことを言っていたら一生使えるようにはなりません。使わなければ、使えるようにはなるはずはありません。冷静に考えれば誰にでもわかることでしょう。使っていればTOEICテスト/TOEFL®テスト等のスコアも上がります。だって、テストは「英語をどれくらい使えるか」を測るものですから。ぜひ、お試しください。

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