授業での実践事例

英語教員による生徒・学生の英語力向上に向けた授業での取り組み

教育コンサルタント片桐紀子先生
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  • 片桐紀子先生

 

LINE等を利用したスピーキング技能向上のための学習管理

教育コンサルタントとして、英語学習に関するカウンセリングやレッスンを行っています。語学スクールや留学準備予備校などの教育機関、企業・団体および個人クライアントから依頼を受け、TOEFL® テスト受験対策と合わせて受講者の英語力向上に努めています。

語学スクール・予備校等では、TOEFLテストフォーマットの問題集を使用してテスト形式に慣れること、セクションによっては、いわゆるテンプレート的なものを意識した回答を訓練することが中心となります。この方法は短時間でも点数アップが期待できるため試験対策としては非常に効果がありますが、これだけでは英語力の底上げはできないことを受講者に理解してもらうことも大切だと思っています。

個人クライアントからの依頼は、特にリスニングやスピーキングの向上を希望されることが多く、その対策に力を入れています。聴解力はリスニングセクションだけでなく、スピーキングやライティングセクションにも大きく影響するため、TOEFLテスト問題集等の音声を携帯などに入れて常に持ち歩き、余裕があればポッドキャストも利用して英語を聞く作業に慣れるよう指導します。受講者の多くはシャドーイング等も既に学んできており、それがスピーキング練習としても効果的で毎日実践すべきであると認識していますが、習慣化できている人はほとんどいません。そこで、受講者のスピーキング等アウトプットの習慣付けをLINEやGoogle Driveなどの機能を利用して徹底的に管理しています。

受講者にはTOEFLテストスピーキング対策用の練習問題やTOEFL iBT® テスト教授法ワークショップを通じていただいたWriting Topicsを課題としたスピーチに加え、シャドーイング、日々の出来事や新聞・ネットで得た情報、TVドラマのストーリーなどを1~2分間、沈黙の部分がないよう心掛けて話したものをスマホ等で録音し、毎日、できれば数回、提出してもらいます。正確さは二の次で、とにかくアウトプットの機会を増やすことが目的です。録音後にLINEの音声ファイル送信アプリを利用して送信、グループ受講の場合はGoogle Driveにアップロード・グループ共有して他の受講者にも聞いてもらえるようにすることで緊張感を持たせます。間違いを細かくチェックするかどうかはケースバイケースですが、チェックしない場合でもスピーキング力は大きく向上しています。

ネイティブスピーカーと話す機会がなければ会話力は身に付かないと考える受講者が多いのですが、これらの訓練を通じて、実際には一人でも学習できる部分は大きく、英語アウトプットに「慣れる」ことの大切さに気づいてもらうことができます。スピーキングは日本人留学生の一番の難関ですからTOEFLテスト受験が終了してもアウトプットの習慣は続けるよう勧めています。

教育コンサルタント 片桐紀子先生
▲ネイティブスピーカーとの勉強会にも参加し
情報交換や疑問点を解消しています

 

教育コンサルタント 片桐紀子先生
  • 教育コンサルタント 片桐紀子先生プロフィール
  • 米国ハーバード大学教育大学院修士号取得。国際教育専攻。ハーバード大学・ブラウン大学・国際基督教大学等で日本語学科講師を務めた後、2003年から8年間、横浜市議会議員として英語・日本語の言語教育推進に尽力。小学1年生からの英語教育(活動)導入や疑似留学体験のできる「横浜英語村」などを実現。現在、教育コンサルタント。語学分野では、TOEFLテスト・TOEICテスト・実用英語技能検定等の試験対策、企業・大学で英会話講座や外国人のための日本語・文化講座などを担当。
  • 教育コンサルタント
  • クライアントの要望に合わせて教育や人材育成に関するカウンセリングやアドバイス、研修カリキュラム作成およびレッスンを提供。企業や地方自治体での新人・キャリア研修、大学や語学スクールでの講義のほか、個人クライアントからは大学・大学院のAO受験や海外留学・語学学習に関する相談を中心に受けている。TOEFLテスト対策の主なクライアントは、米国の大学・大学院への進学希望者のうちアイビーリーグ校など上位レベル校を目指す受講者や、近年ではTOEFLテストスコア提出を必要としている国内の大学・大学院受験希望者が増加傾向にある。
達人セミナーについて
  • TOEFL iBT® テストPropell® ワークショップについて
  • TOEFL® テスト主催団体ETSと当協議会が共同で毎年開催している英語教員対象のワークショップです。TOEFL iBT® テストにおける問題のねらい、採点基準や指導法等について理解いただき、今後の指導に役立てていただくことを主な目的としています。

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