ユーザーの声

ETS 公式プロダクトを活用している学校のレポート

東京学館浦安高等学校吉岡未緒先生
  • Criterion
  • 2016.7.26
  • 東京学館浦安高等学校
  • 吉岡未緒先生

東京学館浦安高等学校の吉岡未緒先生インタビューの後編になります。前編の内容はこちら

“スコアがアップしていくのが目に見えてわかるので、それが一番生徒たちのモチベーションになっている”

より実践的なWritingの授業を実施されてますが、授業の特色や効果・実績についてお聞かせください

吉岡先生:
担当するS・A・国際コースの英語表現Ⅱの授業でCriterion®を利用しています。2年前に本校で千葉県内の私学の英語科教員を対象にした教育研究会がありました。その際に「レベルが高い生徒じゃないと、Criterionなどのコンピューターでタイピングをするなんて無理じゃないか」というご意見をいただきました。S・Aコースの生徒は本校では確かに他のコースに比べてレベルは高いですし、大学受験を意識した学習を1、2年から行っているので、日本語で自分が言いたいことを英語にできるような土台や学力があるのですが、一方、国際コースの生徒は、英語でコミュニケーションをとるのは得意でも、文法が苦手な生徒が大半で、受験英語には精通していません。そのような生徒にまとまった文章を書かせるために、まずは慣れるということに重点を置き、借用や引用なども許可してどんどん書かせています。またWritingで大事なことは、表現したいという気持ちがあれば書けるということです。特に国際コースの生徒は自分自身を表現したい気持ちが強い傾向にあり、「言いたい」「書きたい」という熱意があるので、間違いがたくさんあっても構わないので、自分でアイデアを出すことを最初の目的にしています。また、携帯電話では日常的に英語でメールのやりとりをしている生徒が多いこともあり、省略語、例えばUのところをYouにしたり、can'tもちゃんとcannotと書くなど、フォーマルな英文タイプを教えることにも心がけています。

また、Criterionとは別に、書くことに慣れるという目的で週に1枚ずつダイアリーを書かせています。ダイアリーのトピックは問いませんが、ダイアリーで面白いことを書く生徒はCriterionでも面白いことや、ちゃんとした文章が書けるのです。一方、ダイアリーで稚拙な文を書く生徒は、エッセイライティングでもあまり書けません。最初に考える段階は日本語だと思うので、それが幼稚か否かでそれは英語の文章にも反映していると思います。

東京学館浦安高等学校吉岡未緒先生

編集部:
S・A・国際コースの生徒さんでは、Criterionで提出される文章に違いはありますか。
吉岡先生:
あります。S・Aコースの生徒は、教科書に出てくるようないわゆる構文が多く、「基礎力があるな」「構文を知っているな」という印象がありますが、国際コースの生徒はIばかり使う傾向があります。例えば国際コースで「Iばかり使っているって指摘されるんです」という生徒に対して「受け身や無生物主語にしてみたら」と言うと、「それなんですか」と言われたりするのですが、S・Aコースの生徒になるとぱっと切り替えができます。文法を勉強していることがきちんと反映できるんだという実感にもなりますね。反対に国際コースの生徒は教科書ベースの文法の授業は好きではないようで、Criterionを通して文法を学んでいます。
編集部:
理系の生徒に関して英語の対策など行われていますか。
吉岡先生:
現在本校ではS・Aコースの理系生徒は英語表現Ⅱを履修しておりません。しかし、S・Aコースの理系の生徒たちは全員が大学受験を考えており、多くは国立大学受験を考えています。そして、国立の個別試験では、多くの大学で英語100語程度の作文が出題されます。現状ではその対応が授業ではできないので、夏休みの補習などを利用して英作文指導を行っています。

東京学館浦安高等学校吉岡未緒先生

Criterionを利用されるにあたり、注意されている点や工夫されている点はありますか

吉岡先生:
コンピューター室での授業に入る前に、教室で授業を行います。シラバスの説明から始まり、「次回からCriterionをパソコン室で行います」ということを伝えて、Criterionと同じトピックの手書き用のワークシートを作ってどんなことを書くのか、宿題としてアイデアを英語で書いてきてもらいます。コンピューター室の1回目の授業では、パソコンのタイピングに慣れていない生徒も多いので、サインインの時間として十分な時間を確保しています。その初回の授業はそこで保存して終わり、2時間目からやっと本格的に入力していきます。私とネイティブの先生2人で、ある程度文章になっている生徒から半分ぐらい手分けして見ていきます。授業中で見きれない生徒にはコメントの欄にコメントを入力しておいて、次の授業で「コメント入れておいたからまず見てから開始してください」というような感じで行っています。

また、携帯の操作には慣れていてもパソコンの操作に慣れていない生徒が多いので、パソコンやコンピューター機器が苦手な生徒には、授業の前に原稿を作っておいて授業ではタイピングだけ行ってもらい、タイピングに慣れるように工夫をしています。次に自分の英語力とCriterionとの間に乖離を感じている生徒へは、Criterionはミスしても指摘があって自分で気づけるので、「無理に上を目指さないで、どんどんミスして大丈夫」「先輩たちも初めからできなかった」などひたすら励ますことをしています。また、スコアがアップしていくのが目に見えてわかるので、それが一番生徒たちにとってモチベーションになっているようです。
編集部:
以前拝見させていただいた授業では、ネイティブの先生と2人で、生徒に声をかけながら行っていましたが、サブミットは先生がOKしないとできないようにしているのですか。
吉岡先生:
そうですね。短い文章で出してしまうともったいないので必ず提出前に確認します。

東京学館浦安高等学校吉岡未緒先生

Criterionを利用された感想などございましたら、お聞かせください

吉岡先生:
私は10年も使っているので、最初の時のような驚きはさすがにありませんが、生徒にとっては初めてのことで、しかも高校3年での1年間しかやりませんから、飽きてしまうことはあまりありません。生徒にとっては初めて見るツール、初めての経験で、しかもかなり高度な技術が要求されるので、非常にありがたいものだと思っています。あまり簡単だと生徒が飽きてしまうということがあるので、年齢に応じたトピック自体の適切さも毎年考え直しています。シラバスは毎年変わりませんが、Criterionのトピックは生徒の反応を見ながら変えています。このトピックを決めることが意外と難しくて、例えばテーマをTVコマーシャルにした時は、生徒が普段TVを見ていなかったり、録画してコマーシャルを飛ばしていたりなど、そもそもコマーシャル自体を見ていない生徒が多いということもあり、反応が良くありませんでした。
編集部:
生徒さんから好評なトピックはどのような内容なのでしょうか。
吉岡先生:
やはり自分のキャリアや卒業後のプランに関するトピックの反応は良いです。ただ、反応の良し悪しだけでなく、受験対策として大学の過去問に目を通して、どんな問題が出ているかをピックアップし、そのトピックと似たようなものをできるだけ選んでいます。最近では自然保護やSNSの問題点などのトピックもよく見かけるので、できるだけ文系理系に偏らないトピック選びをしています。また、教科書とのリンクも考え、「教科書に似たようなエッセイが載っているから見てごらん」などと伝え、生徒にはとっつきにくい話題のときには参考にできるようにしています。

東京学館浦安高等学校吉岡未緒先生

 

東京学館浦安高等学校吉岡未緒先生
  • 東京学館浦安高等学校 吉岡未緒先生プロフィール
  • 東京学館浦安高等学校の英語科教諭。勤務校では、S・A・国際・B各コースの担任を経験し、英語教師として今年で18年目を迎える。
  • 東京学館浦安高等学校
  • 東京学館浦安高等学校は、千葉県浦安市に1981年創設された、私立の高等学校。生徒数が1,500人を超え、普通科をS・A・国際・B・内部進学・体育の6コースに分け、それぞれの特徴に合わせた教育を展開している。そのため、卒業後の進路は多岐にわたる。運動部の活躍も顕著で、文武両道を果たしている生徒が多い。
上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。

関連コンテンツ

Criterion

Criterionチュートリアル Student#1

ライティング指導ツールCriterionのStudent機能のチュートリアルです。Studentのサインイン、課題の選択、エッセイの提出、スコア・フィードバックの確認、書き直し、再提出について解説しています。 https://www.etsjapan.jp/toefl/criterion/