ETS公認トレーナー直伝 TOEFL iBTテスト対策、ここがポイント!

2013.04.23

speaking【対象レベル:全員】

第2回 TOEFL iBT® テストSpeaking対策 No.2
Speakingってどうやって採点されるの?

皆さんこんにちは。だいぶ春らしくなってきましたね。日本では新たな年度の始まり、何かと新しいことにトライする意欲が沸く人も多いのではないでしょうか。皆さんもHigh spiritを持ってTOEFL® テスト対策に取り組んでいきましょう。

さて今回はTOEFL iBT® テスト対策シリーズ連載第2回目です。前回TOEFL iBT® テストSpeaking 対策 No.1 Speaking セクションに関する誤解を解こう!)から引き続き、Speakingセクションについてお話していきましょう。

Q1
Speakingってどうやって採点されるの?
Answer:
それでは採点システムについて簡単に説明しましょう。パソコンに人が入っていない、というのは前回説明しましたね!以下、概要をチェックしてみてください。
1タスク(= question)につき、採点者は1人
ライティングでは機械採点も採用されていますが、スピーキングは人間採点のみです。
1受験者につき、採点者は3~6人
つまり、同一採点者が受験者1人の回答を全部採点するわけではないのです。これによって特定の採点者だけによるバイアス(偏り)を排除し、より公平な採点基準が保てるわけです。
採点者は海外在住経験豊富な人
しかも同じ国にずっと居た人(例えば日本で10年教えていた、等)ではなく、様々な国で英語を教えていたことなどが採用条件の一つでもあるので、よりいろんな英語のアクセントに対応しています。
受験者の情報は一切見られない
音声以外の情報は採点者には届かないので、先入観なしに採点してくれます。
エラーや理由の数、話した秒数等は数えていない
エラーが1つある度に減点、などといった方式でもなく、理由が2つあるから何点、といった基準もありません。秒数だけで点がつけられることもありません。そういった機械的な方式ではなく、あくまでも総合的に判断するのです。
どうでしょう?これらを知っておくと、変に緊張する必要がなくなり、余計なプレッシャーから解放されませんか?
以前教えた生徒さんは、同じグレーダーが1人で全部採点するものだと思い込んでいて、「1問目で印象悪くしちゃうと、その後の採点に影響しますよね?」と真剣に悩んでいたぐらいですから!
Q2
スピーチってどのように展開すればいいの?
Answer:
前回の「宿題」として、sustained, coherent discourse は何か、という課題がありましたよね。考えていただけましたか?まず単語の意味から確認しますと、sustainedには色々な意味がありますが、TOEFLテストのSpeakingやWritingにおいては、別の単語で言い換えると「supported」という意味になります。coherentは「首尾一貫した、理路整然としている、論理的な、筋の通った」という意味です。 discourse は「会話、話法」の意味です。
これらを合わせると、どういうスピーチが求められているのか、がなんとなく見えてきましたね?つまり、「しっかりと内容のサポートがされていて、ロジカルに話が展開されている」スピーチなのです。ここでいう内容のサポートとは、自分が主張したい立場を解かりやすく、説得力を持たせるために含める要素のことを指します。場合によってはそれが個人体験について話す場合もあれば、反対意見との比較を入れてみたりする、などいろいろなやり方はありますね。しかし、もちろんそれらが論理的=ロジカルに展開されなければ、いかに沢山内容を詰め込んで話し続けたところで、支離滅裂とした内容になってしまい聞き手(採点者)にとって解かりにくくなってしまいマイナスです。
前回の連載にもあったように、スピーキング=発音&流暢さばかり強調されがちになってしまいますが、我々が思っている以上に内容、つまりtopic developmentにも採点者は注目しています。
それでは解かりやすいように例を挙げてみていきましょう。まずはこんなトピックがでたとしましょう。
Q
What is a characteristic of a good teacher? (良い先生の資質を1つ述べなさい)
Answer:
これが本番だとしたら、皆さんはどのように答えますか?アイディアは浮かびますか?またそれをどのようにサポートしますか?
ではサンプル回答です。皆さんはこの回答のtopic developmentをどう評価しますか?それについて考えながら読んでみてください(Speakingの練習ですから、音読する事をおススメします)。
 
“A characteristic of a good teacher is being supportive. For example, when I was a high school student in Tokyo, Japan, I belonged to the baseball club and I practiced hard every day. When I went home after practice, it was usually 9 o’clock at night. I was very tired, so I didn’t have much time to study. I was especially not very good at English. But my English teacher, Mr. Suzuki, helped me. As a result, I was able to get good grades in English and graduate. Therefore, a characteristic of a good teacher is being supportive.”
 
どうでしょうか?意見は解りやすいですよね。助けてくれる、協力的な先生だ、と。ただこの回答の問題点は自分の主張に対するサポートが足りないのです。supportiveと回答している割には・・・何たる皮肉(笑)。ちなみにETSの採点基準表の中には、2点レベルの基準にこういう説明があります。
 
“The response is connected to the task, though the number of ideas presented or the  development of idea is limited. Mostly basic ideas are expressed with limited elaboration (details and support).”
<回答は問題とは関連性があるが、アイディアの数もしくは展開が限られている。限定的な説明(詳細と補足)で基本的な考えしか述べられていない>
 
やはりlimitedという言葉が気になりますよね。一番の問題点はMr. Suzukiが具体的に、どのようにsupportしてくれたのか、をもっと広げない限り、topic developmentにおいてはスコアが伸びないでしょうね。そこが採点者としては一番知りたいところなわけです。

どうでしょうか、皆さんのスピーチもこのように中途半端な説明・補足で終っていませんか?発音よく、流暢に喋ることばかりに気をとられて、しっかりと補足されているロジカルなスピーチができていないのではありませんか?今回は宿題として、このトピックで自分なりのsustained & coherent speechを練習してみてください。

それではまた次回TOEFL iBT® テスト Writing対策 No.1  試験の目的、採点の仕組みなどを理解しよう。)にお会いしましょう。Writingについて説明していきますので、お楽しみに!

五十峰 聖先生
  • 五十峰聖先生
  • ETS Authorized Propell® Facilitator
    ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator
  • 桜美林大学 芸術文化群 特任講師
  • プロフィールはこちら
TOEFL iBT Speaking Section Scoring Guide
テスト構成
上記は掲載時の情報です。予めご了承ください。最新情報は関連のWebページよりご確認ください。

ETS公認トレーナーが解決!TOEFL® テスト質問箱

ETS公認トレーナーに聞いてみよう!TOEFL ITPテストFAQ