語彙強化と正しい読み方を身に付ける
東洋大学　金子雅也先生

文中の全ての語彙を知るというのはかなり難しいですが、文中の95%の語彙は知るべきです。TOEFLテストのリーディングで95%の語彙を知るには概ね4,000語が必要という研究結果がありますので4,000語の語彙習得を目指してください。一方で、文中の10%くらいの単語が分からなかったとしても読むことはできます。例えば、長文を読み「テーマ」を当てることができますか？次に、その長文全体がどんなことを言いたいのか「主旨」をつかめますか？このように、まずは大きいイメージをつかみ、少しずつ細かいイメージを持てるように練習してください。全訳ではなく、読む癖をつけましょう！

■3,000語、4,000語レベルの語彙リストの一例
・Headwords of the First 10,000 Words – 3^rd 1000
・Headwords of the First 10,000 Words – 4^th 1000
■読解に必要なスキルを養成するのに役立つ教材の一例
Reading Powerシリーズ

語彙レベルと語彙のカバー率を押さえて、効率よく学ぼう
武庫川女子大学　川西慧先生

「語彙レベル」という考え方があり、高頻度で使われる語彙から1,000語ずつをレベルにしています。例えば、学習者が1,000語レベルの単語を全てマスターしていても、読んでいる文章に出てくる語彙が3,000語レベルでは難しくて読めません。一般に、その文章に出てくる語彙の98%を知らないと読んで理解することができないと言われています（語彙のカバー率 Hu & Nation, 2000）。一般語彙を頻度順にコツコツ学び、また、TOEFLテストなど学術目的の文章に出てくる学術語彙も別途学ぶのが効率が良いように思います。

■文章の語彙レベルを測定する
・Compleat Web VP
■自分の語彙レベルを測定する
・The updated Vocabulary Levels Test
■一般語彙
・NEW GENERAL SERVICE LIST
■学術語彙
・NEW ACADEMIC WORD LIST 1.0

パラグラフのフォーマットを意識する
城西大学　鬼頭和也先生

フォーマットを意識しましょう。長文も基本的には5つの要素から構成されています。Purdue UniversityのWebサイトにその詳細があります。文章の構造を理解すると、リーディングでの推測力がつきます。また、分からない単語に関しては読み飛ばしながら文脈を通して理解するように訓練しましょう。単語にこだわるのではなく、全体像を意識して読む感覚を身に付けるといいでしょう。