武道では型の指導を徹底的に行います。初心者が技を短時間で習得するのにすぐれた方法だからです。実はスピーキングとライティング力をアップさせるのにも型を繰り返すことがとても役に立つのです。その型のひとつ、PREP法を今から一緒に見ていきましょう。
PREPとは次の単語の頭文字をつなぎあわせたものです。[ P (Point) R(Reason) E (Example) P (Point) ] この、「主張―理由―具体例―再主張【結論】」の型で論旨をまとめることに慣れましょう。英語の最も重要な意見の展開法を短時間でマスターできるからです。
さて、例を用いてPREP法の使い方を細かく見ていきましょう。
例:
*立場を変えて、「紙の辞書を使うべき」という主張もしましょう。
P(主張)で使う表現は、I think A is much better than B. とか、In my opinion, you should....など知っていると便利です。
R(理由)ですが It is helpful when...とか、It is important to... とか、 It has a bad effect on us. のようにプラスかマイナスの意味を持つ形容詞をうまく使いましょう。形容詞を使わない場合でも、It will help you ...などの言い回しを知っておくと便利です。
E(具体例)は理由の裏付けです。どの具体例も、「理由の裏付け」になるようにしましょう。逆に 「Rのところで述べた理由をサポートしない具体例」はどんなに良く思えてもはずしましょう。
P(再主張・まとめ)ですが、最初のPで使ったのと同じ表現を使わないほうがいいです。表現は少し変えてみましょう。いくつかよく使う表現のストックを作っておくと便利ですよ。
気をつけたいポイント1
事実のあとに「だから何なの?」の答えを書こう!事実に意味づけすること!
以下の②は事実がそのまま理由になってしまっている例です。このような場合、事実を述べっぱなしにせず、「だから何なの?」という問いに答えるカタチで③のように事実の意味づけをしてあげると、聞き手や読み手が理解しやすくなります。
例 ①Steve Jobs was a great person, because ②he made entirely-new devices such as iPads and iPhones. (だから何なの?)③These devices have drastically changed the way of communication.
*普通のPREP法なら、①ジョブズは偉大な人だった。③あるデバイスを作ってコミュニケーションの仕方を変えたから②彼が作ったのは iPadやiPhoneで、(世界中多くの人が使っている。)の順で述べていきます。上記のような展開法もありますが、まずは基本型を徹底しましょう。
気をつけたいポイント2 難しい言い回しはいらない。
センター試験レベルの英語で十分。参考書には気の利いた難しい言い回しが多く載っていますが、最初は無視してかまいません。今は簡単な言い回しでいいので、PREP法や「抽象的なことを言って→具体的なことを述べる」という英語の意見の述べ方に的を絞った学習をしましょう。表現は徐々に増やしていけばよいです。
PREP法については「話すスキルUP すぐできる!
論理的な話し方 話の組み立て方が上手になるPREP法の使い方」で学べます。 英文のアイディアのまとめ方については「パラグラフ・ライティング指導入門―中高での効果的なライティング指導のために」が役に立ちます。まず前者で日本語を使ってPREP法について慣れ、後者で英文のまとめ方を学びましょう。
■「話すスキルUP すぐできる! 論理的な話し方 話の組み立て方が上手になるPREP法の使い方」(日本能率協会マネジメントセンター)
■「パラグラフ・ライティング指導入門―中高での効果的なライティング指導のために」(大修館書店)