Sentence Repetition(聞いた1文を、文字を見ずに声に出してリピートする活動)、Dictationなどで、間髪をおかずすぐに繰り返して言ったり書いたりするより、少し(3秒程度)時間をおいて行う方が練習として価値が高くなります。
すぐ繰り返すと、意味を考えず、いわゆる丸暗記のオウム返しができてしまいます。オウム返しは音真似のようなものですので、純粋な発音練習としては役に立つかもしれませんが、英語力アップのためには効果が限定的です。
自分一人で行うときは、英文を一文聞いたら、音を止め、頭の中でone、two、threeと言ってからリピートしてみましょう。いきなりリピートするより負荷がグンと掛かったのが意識できると思います。
Dictationのときにも、同じことが言えます。一文を聞いたらone、two、three。それから書いてみます。
1拍をおいて再生しようとすると、頭に残っている意味にしたがって、自分で英文を作ることになります。逆に言うと英文を作れない人は1拍おくことによって再生(と言いますが実は生成)することができません。
1拍あけば、読んで書く練習もできます。一文をサッと読んで、one、two、three。それから書いてみます。現在学校で習っている人は、教科書の一文を読んだら、教科書を伏せます。それからone、two、three。書き始めます。思い出せない箇所があれば、教科書をチラ見。そして、また教科書を伏せて、書きます。教科書を見ながら書くのでは、単なる書き写しの活動になります。スペリングの学習にはなりますが、文を作る活動にはなりません。
ただし、こうしたやり方で聞いたり、読んだりするには長い文は向きません。長くても12語~13語ぐらい(厳密な数ではありません。あくまで目安です)が良いでしょう。挿入句が入っているものは避けましょう。
お勧めの教材は中学校の検定教科書です。高校生、大学生、社会人すべての英語学習者にお勧めです。高校の検定教科書はこの活動に向きません。中学校の検定教科書(現在、6種類あります)、どれでも1種類、教科書と附属CDを手に入れて試してみてください。自信のある人は、中学3年生用から、そうでない人は、中学1年生用から、一文ずつ試していきます。中学3年生用でも確実にこれができれば、かなり基礎力があると考えられます。
英語の先生が教室で教える場合、発音練習のためのリピートか、英語定着のためのリピートか、聞いて書かせるときも、スペリングの練習なのか総合的な英語力アップを目指しているのか区別が必要です。後者の場合は、1拍おくことが大切です。