多読にも色々なやり方がありますが、大体意味の同じ英文をたくさん読むのも多読のうちです。
こうした多読に最適なのが、英字新聞。起きた事件は同じものですから、いわゆる5W1H(Who, What, Where, Why, How)は同じですが、各紙、それらを表現する英語は異なっています。
テレビなどでも報道されている事件なら、その内容は英語ではなく、日本語で既知のものになります。あとはどんな英語を使っているかです。
多読では、辞書は引かない(あるいは極力引かない)ということですが、このやり方の場合は内容を知ることではなく、ある内容をどんな英語で表現するかを勉強することにありますので、ニュアンスの違いなどを英英辞典などで確認することも良い勉強になるでしょう。
一昔前だと、こうした「多読」をするには、紙の新聞を数紙、買い求めるか、図書館などに行って読むというやり方しかありませんでしたが、最近では、Web上に世界中の新聞記事が載っていますので、特にお金を出さなければ読めないと言うことはありません。むしろ、どの新聞を読めば良いか迷うほどです。iPadやスマホで「新聞」「ニュース」などで調べれば世界中の新聞が読める便利なアプリ(無料も有料もあります)を手に入れることもできます。
どんな記事を読むかは好みによりますが、単純な事件報道が良いと思います。先に挙げた5W1Hがはっきりしているからです。また、あまりローカルな記事だと、他社には載っていない場合がありますので、ある程度の大事件に限られるかもしれません。
短い記事が望ましいと思いますが、長い記事でも新聞は必要な情報を前に出していますので、最初のパラグラフだけを比較するので十分、目的は達せられます。毎日やる必要はありません。2~3日同じ事件報道数種類を読み返すことで、表現や語彙を覚えるのに役立ちます。
上級者なら、同じ事件について立場の違う国の新聞(例えば、アラブ諸国とイスラエル)などを読めば、単なる英語表現の勉強を越えて国際関係の勉強にもなります。ただし、中級までの人はあまり背伸びをせずに短い記事をたくさん読むのが英語の勉強としては適切だと思います。
時事ネタがもう一つ性に合わないという人なら、他のジャンルのモノでも構いません。例えば、Web上には日本の昔話の色々なバージョンの翻訳が載っていたりします。桃太郎を色々な訳で読む、などというのではどうでしょう。ただし、新聞記事と違って、誰が翻訳しているかわからないので、信用できるソースのもの(例えば、大学)を選ぶようにすると良いと思います。