達セミに学ぶ 英語学習のヒント
全国の熱血教師による授業に学ぶ英語学習方法伝授
- 鹿児島県立川薩清修館高等学校
- 出水田隆文先生
- 今回のヒント
- 脳の英語回路をシンプルな練習で作ろう!
「シンプルな練習ほど力がつきます」10年ほど前、ソフトテニス部の顧問をしていた時に、選手が私に教えてくれた言葉です。英語学習でも同じことが言えます。
私は大学時代、アメリカ文学を読む学習ばかりしていました。たま~に英語を話さなければいけない場面に出くわしても、時間をかけて頭の中で英文を練りに練って1文か2文程度を話すことがやっとでした。「スラスラ」と会話するには程遠い英語力でした。
そんな私が、とある外部試験で「ディスカッション」をしなければならなくなりました。当時の私にはとてもハードルが高い試験です。私も友人たちもディスカッションなんてやったこともありません。
そこで「毎日日記を書く」という対策を取りました。その日あったことや時事問題などに対する自分の意見を、英語でノートに書くという学習を2か月ほど続けて、ディスカッション試験に臨みました。初めてのディスカッションでしたが、英文で自分の言いたいことを表現する練習をしていたので、スラスラと自分の意見を組み立てられ、相手の意見に対して的確に反論することができました。まだまだ未熟な英語でしたが「俺が英語でディスカッションしている!」と自分に驚きました。
当時はあまり意識していませんでしたが、自分の意見を書いて表現するという学習は私に大きな効果をもたらしていたのです。
- (1)知らない単語や表現を調べる必要性が生まれる
- →アウトプットする機会を作りだすことで、インプットが増える。自分に関わる(=使う頻度が高い)語彙が増える。
- (2)頭の中で英文を作り出す訓練になる
- →「リハーサル」になり、口には出さなくても有効な練習になる。
- (3)時間をかけて文章を作り出すことができるので取り組みやすい
- →自分のペースで「英語を頭の中で作る回路」を作り上げることができる。
- (4)文字で表記するので文法間違いに気づきやすい
- →自分で文章を訂正できることは大事なスキル。中学高校で身に付けた文法知識でしっかり添削すること。
この「日記学習」をさらに効果的で楽しい学習にするために、以下のようなステップで取り組んでみるとよいでしょう。
- ① トピックに沿って、自分の言いたいことを「英語で」考える
- ② ①の英語を、タイムを測りながら声に出して言ってみる
- ③ ②のタイムの4分の3の時間を目標に、再度声に出して言ってみる
- ④ ②のタイムの2分の1の時間を目標に、もう一度声に出して言ってみる
- ⑤ 日記に書きだす
- ⑥ 文法間違い、スペルミスなどをチェックする
- ⑦ 可能ならネイティブに発音と日記をチェックしてもらう。より自然な表現や文法間違いを教えてもらう
「書く」という何の変哲もなさそうな学習ですが、その効果は絶大です。1文からでも効果はあります。ぜひ皆さんも「日記学習」を始めてみてください!
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