ETS公認トレーナー直伝 TOEFL iBTテスト対策、ここがポイント!

2016.10.25

reading【対象レベル:上級】

第44回 レベル別・TOEFL iBT® テスト 4技能対策⑨
「上級Reading・高難易度の問題対策」

皆さんこんにちは。10月後半になり、だいぶ秋らしくなってきましたね。益々勉強モードになってきているかと思います。学生の人は中間試験などが終わり、少し中休みといったところでしょうか。この時期だからこそ是非ともTOEFL iBT® テストを申込んでみましょう。受験することで気がつく点もだいぶありますよ。そしてそこから勉強方法を修正するようにしましょう。

さて今回はReadingについて勉強しましょう。人によって得意・不得意なスキルがあるのはもちろんですが、4セクション合計で上級(80点以上)を目指すには、やはり誰でもReadingセクションで20点以上を毎回確実に出すことが必須と言えます。今までの私が教えてきた経験上、日本での英語学習者はListeningとSpeaking(音声が必要となるセクション)のスコアで伸び悩む人が多いです。その分、音声が必要なく、繰り返し読み直せるReadingでスコアを稼ぐのは重要ですね。

Readingに関する前回(第39回 レベル別・TOEFL iBT® テスト 4技能対策⑤ 「中級Readingに必要な3つのアプローチ」)に続き、今回は上級Readingを扱っていきます。

初級(第35回 レベル別・TOEFL iBT® テスト4技能対策①「初級Reading対策・必須アカデミック語彙習得法」)・中級(第39回 レベル別・TOEFL iBT® テスト 4技能対策⑤ 「中級Readingに必要な3つのアプローチ」)では単語学習、本文の読み方、問題の解き方、そして時間配分と配点について学習しました。では確実に20点を突破するために、最後の難関である難易度の高い問題の対策を学習しましょう。

高難易度問題① Sentence Insertion Questions(センテンス挿入問題)

これは設問に出される1センテンスを、本文中にある4つの選択箇所(■になっています)のどれか1か所に挿入する問題です(元々入っていた1センテンスが、問題作成者によって抜かれています)。挿入箇所は通常4つとも同じパラグラフ内に固まっていますので、それ以外の箇所を無理に読む必要はありません。
必要なステップとしては

  1. 挿入文の分析:特に代名詞、転換語、時間表現、そして文脈のヒントなどに注意します。
  2. 4つの■のうち、適切だと思われる箇所をクリック。パソコン画面上では、実際に挿入文がそこに挿入されます。
  3. 挿入した文、その前と後ろのセンテンスの計3センテンスを読み通して、文脈の流れ、代名詞の一致などを確認します。

例題

挿入文: These people had a significant linguistic impact on the continent as well.

以下のA, B, C, Dのどこに挿入すればよいでしょう?
The diffusion of agriculture and later of iron was accompanied by a great movement of people who may have carried these innovations. These people probably originated in eastern Nigeria. A Their migration may have been set in motion by an increase in population caused by a movement of peoples fleeing the desiccation, or drying up, of the Sahara. B They spoke a language, proto-Bantu (“bantu” means “the people”), which is the parent tongue of a large number of Bantu languages still spoken throughout sub-Saharan Africa. Why and how these people spread out into central and southern Africa remains a mystery, but archaeologists believe that their iron weapons allowed them to conquer their hunting- gathering opponents, who still used stone implements. C Still, the process is uncertain, and peaceful migration - or simply rapid demographic growth - may have also caused the Bantu explosion. D

(TOEFL Quick Prep Vol.3)

<解答・解説>
まず挿入文の代名詞に注目します。
These people had a significant linguistic impact on the continent as well.
挿入文の前に「人々」が言及されていることがわかります。
次に、内容的なキーワードに注目します。
These people had a significant linguistic impact on the continent as well.
ここでは「言語面での影響」、つまり言語に関する記述が後ろに続くことが考えられます。

「人々」だけに注目するとAでも良さそうですが、後ろに言語の記述がありません。そうするとBの後ろにlanguageとありますので、ここが適切ですね。よって正解はBでした。

高難易度問題② Sentence Simplification Questions(センテンス言い換え問題)

次の高難易度はsentence simplification(センテンス簡略化)と呼ばれていますが、実質は「センテンスの言い換え」です。4つの選択肢のうち、本文中の1センテンス(グレーでハイライトされています)を一番うまく言い換えているものを1つ選びます。
注意点としては

  1. Sentence insertion問題同様、指定された範囲以外は読む必要がない
  2. ハイライトされた文の中でessential(最重要)な情報は何か、を判断する
  3. センテンスの構造(対比、順番など)にも注目する

という点です。

例題

ハイライト文:
Unlike in the Americas, where metallurgy was a very late and limited development, Africans had iron from a relatively early date, developing ingenious furnaces to produce the high heat needed for production and to control the amount of air that reached the carbon and iron ore necessary for making iron.

(TOEFL Quick Prep Vol.3)

この1文を上手く言い換えているのは次のうちどれでしょう?

  1. While American iron makers developed the latest furnaces, African iron makers continued using earlier techniques.
  2. Africans produced iron much earlier than Americans, inventing technologically sophisticated heating systems.
  3. Iron making developed earlier in Africa than in the Americas because of the ready availability of carbon and iron ore.
  4. Both Africa and the Americas developed the capacity for making iron early, but African metallurgy developed at a slower rate.

<解答・解説>
ハイライト文を、文の構造やある程度の意味ごとに分けるようにします。また転換語にも注目します。

  1. Unlike in the Americas, where metallurgy was a very late and limited development,
  2. Africans had iron from a relatively early date,

まずこの時点でアメリカ = 遅い、限られている ⇔ アフリカ = 早い、という対比が見えます。

  1. 3. developing ingenious furnaces to produce the high heat needed for production and to control the amount of air that reached the carbon and iron ore necessary for making iron.

この文はアフリカの続きですね。ingeniousの単語の意味がわからなくても、「作って」「コントロールして」「鉄を作る」と繋がっているので、何となくポジティブなイメージと捉えればよいでしょう。2.とつなげて考えると、
「アメリカと違い、アフリカでは早くから鉄を作る技術があった」
程度に理解しておくと良いでしょう。

あとは選択肢との比較です。

  1. While America…latestでX(latest=「最新の」)。
    →これではアメリカが発展していたことになります。
  2. Africans…earlyでO, sophisticatedでO。
    →アフリカが初期から発達していたとなりますので○です。
  3. because of 以下でX。
    →アフリカの初期発達に関しては○ですが、その理由については本文では言及していません。
  4. BothでX, African…slowerでX
    →両方とも初期から発達、ではありませんし、アフリカが遅いのもあっていません。

よって正解は(b)でした。

いかがでしたか?若干複雑な問題で難易度も上がっていますが、たくさん読む問題ではありません。限定された箇所をしっかりと読み取り、ロジックや文脈、そして選択肢の分析などによって正解することができます。最初のうちは時間がかかるかもしれませんが、繰り返し練習することで解答時間を速めていくように頑張りましょう。

それではまた次回(第45回 レベル別・TOEFL iBT® テスト 4技能対策⑩ 「上級Reading・高難易度の問題対策その②」)も一緒に学習しましょう!

五十峰 聖先生
  • 五十峰聖先生
  • ETS Authorized Propell® Facilitator
    ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator
  • 桜美林大学 芸術文化群 特任講師
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